移住に関するさまざまなテーマのトークをお届けする「移住ってどう?」。今回は白川村に移住し、観光協会に勤めるお二人に、多くの観光客を受け入れる仕事の内容や、白川村に移住して感じることについてお話を聞きました!
武内順子さん
岐阜県多治見市出身。2023年8月に白川村に移住し、観光協会に勤める。移住当初は平瀬地区のシェアハウスで暮らしていた。
和田真佐美さん
石川県七尾市出身。2010年に結婚を機に白川村に移住。2023年4月より観光協会に勤める。
年間200万人以上もの観光客が国内外から訪れることもある白川村。その窓口となるのが白川郷観光協会です。お二人は移住者ということですが、いつごろに移住し、観光協会で働き始めましたか。
和田 私は2010年に結婚を機に石川県七尾市から移住しました。観光協会で働き始めたのは2023年春からです。
武内 私は2023年8月に岐阜県多治見市から白川村に移住しました。長年観光業に携わっていて、岐阜県内で観光の仕事を探していたのですが、縁あって白川郷観光協会で働くことになりました。
普段、お二人はどんな仕事をされていますか。
和田 主に受付カウンターで、観光客からの相談に対応しています。観光ルートや飲食店の紹介をしたり、「今日泊まれる宿はないか」と聞かれることもあったりしますね。元々英語が話せるわけではなかったので、初めのうちは外国の方への対応に戸惑いましたが、今ではよく聞かれる質問には答えられています。
武内 観光協会では村内の宿泊施設の予約を一部請け負っているので、私は宿泊に関わる業務全般を担当しています。観光協会の事務所があるバスターミナルはお客様のトラブルも多く、忘れ物やバスの運休、乗り遅れ等に英語で対応しています。冬は雪の関係で車の事故が多いので、その処理もありますね。
和田 どこに相談すればいいかわからない場合は、観光協会へまず問い合わせが来ますよね。スタッフは10人もいないので大変ですが、毎日、日本中、世界中の方と出会えるのは刺激的です。
武内 冬は白川郷ライトアップイベントもありましたね。実行委員会と協力して、夏から企画や準備を進めて、当日の運営もしています。あとは観光客へのマナーの呼びかけはしていますが、毎日の掃除は大変です。バスターミナルは数百人の方々が行き交う場所ですので、放置されるゴミも多いです。
観光に直接関係することだけでなく、幅広いお仕事をされているのですね。白川村の観光スポットというと世界遺産の荻町合掌造り集落が定番ですが、移住者視点でのおすすめはありますか。
和田 暮らして感じるのは、やっぱり白山や庄川などの自然の豊かさ。山登りやキャンプ、釣りなどで、ぜひ体感してほしいです。夜は満点の星空で天の河が綺麗に見られるので、宿泊して眺めていただきたいですね。
武内 ホワイトロードや白水湖の眺めも素晴らしいので、道路が開通されたらぜひ足を運んでいただきたいです。ドライブすると、野生動物も見られるかもしれません。私はよく遭遇します(笑)。南部の平瀬温泉も、観光客は少なめですがゆっくり落ち着いて過ごせますし、ひらせ温泉キャプサイトでキャンプも楽しめます。いつか村内のいろいろな拠点を巡るツアーを企画してみたいですね。
コロナ禍が落ち着き、観光客が戻る一方、オーバーツーリズムが村の課題となっています。多様な観光に目を向けることも、持続可能な観光を考える上で大切かもしれません。さて、お二人は移住者でもありますが、白川村の暮らしはいかがでしょう。
移住体験シェアハウス「やまごや以上ほしぞら未満」
武内 車があるので、暮らしの不便さは特段感じていません。あとはやはり、人付き合いが濃いですね。職場や近所の方に野菜をいただけることもあって、ありがたいです。私は一人で暮らすのが苦手で、移住当初はシェアハウスで暮らしていましたが、同じ立場である他の移住者と一緒で安心感がありました。夕食を一緒に食べたり、たわいのない話をしたり…村のいろいろなことを教えてもらったり、村の方を紹介してもらうこともありましたね。
和田 白川村は会合や行事が多くて大変なこともありますが、準備などに一緒に取り組む中で、親交が深まりますね。私も嫁いだばかりの頃は女性会で顔見知りができました。
武内 仕事とプライベートのコミュニティが重なることも多いので、そういった密なつながりを楽しめる人が住んでくれるといいと思います。
暮らしの場が観光地となっている白川村では、観光の仕事は主たる仕事の一つ。移住者の視点を活かしながら、村の観光を縁の下で支えるお二人の活躍に、今後も期待です!
今回のゲストが務める白川郷観光協会の事務所があるのは、白川郷バスターミナル内。高速バスが発着し、多くの観光客が利用する合掌造り集落の入り口です。