合掌造り – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Tue, 27 Dec 2022 03:58:04 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクト/公益財団法人日本ナショナルトラスト https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/nationaltrust/ Tue, 27 Dec 2022 01:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2588 白川村で毎年11月に行われている「われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクトー秋の一斉茅刈りー」。村内外から人が集まり、合掌造りの屋根に使われる茅をみんなで収穫するイベントです。

このイベントの一部を企画するのは、主に首都圏に暮らすボランティアメンバーが参加する「かややね会議」。そして、その運営をボランティアメンバーとともに行うのが、「公益財団法人日本ナショナルトラスト」さんです。

今回は日本ナショナルトラストの職員で、白川郷のプロジェクトを担当している出口美智子さんにお話を伺いました。

「われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクト」のはじまりは2015年。元々、日本ナショナルトラストは白川村荻町の白川郷合掌造民家「旧寺口家」や、飛騨日日新聞の拠点としても活用している「白川郷合掌文化館(旧松井家)」を取得し、維持管理を行っていました。

合掌造民家の維持管理にはもちろん、白川村に住む人々との関わりが必須。「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」をはじめ、村民や役場と協力しながら活動していました。そんな中で生まれたのが「われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクト」です。

「白川村の方から“合掌造り家屋の屋根材として使われる茅(かや)の自給率を高めたい、でも人手不足でなかなか難しい”という想いを聞いて。日本ナショナルトラストで村外から人を集められないかと考えたんです」。

こうして始まったのが、「秋の一斉茅刈り」です。参加者は1年に1度、11月に白川村に集まり、村民と一緒に茅を刈ります。

※コロナ禍で2020年以降は縮小開催となっています。

さらに茅刈りの翌日には、白川村の暮らしや文化をさまざまな角度から知るためのイベントを実施。「かややね会議」のメンバーは、この企画の中心となって活動しています。

かややね会議のメンバーが作ったてぬぐい。日本ナショナルトラストのHPで販売中。

メンバーは東京やオンラインで「かややね会議」を行い、毎年異なる企画を準備。出口さんは、かややね会議のメンバーと、関心を持ってくれる村民をつなぎながら、よりよい企画になるようサポートしています。

「毎年、かややね会議ではメンバーから“こんなことをしたい”というアイデアがたくさん出てきます。そのアイデアを村の方に持っていくと、今度は村の方から自分たちでは思い付かないようなアイデアがたくさん出てくるんです!みなさん、自分ごととして考えてくれるのがとても嬉しいですね」。

2022年は「自宅に戻ってからも白川村や合掌造りのことを思い出せるものを」という想いから、茅や松など村の自然素材を使った正月飾りを作りました。

黙々と茅を刈ったり、村民と楽しそうにお話をしたり、イベントの風景を熱心に写真に収めたり…かややね会議のメンバーたちを見ていると、このプロジェクトを心から楽しんでいることが伝わってきます。

そして、その活動を見守り、時にそっと手を差し伸べる出口さんからも、白川村の合掌造り家屋や、その背景にある人や文化を大切に思う気持ちがひしひしと感じられました。

日本ナショナルトラストはどんな組織?

ところで、出口さんが所属する日本ナショナルトラストとはどんな団体なのでしょう?

1968年に設立された日本ナショナルトラストは、美しい自然景観や貴重な文化財、歴史的環境の保全や利活用に取り組みながら、後世に残していく活動を行う団体です。

全国のさまざまな資源の調査や全国のトラスト団体への情報提供・普及活動に取り組むとともに、貴重な地域の資産を未来に継承するために“保護資産”として保護対象の認定や取得を行っています。白川村の旧寺口家や旧松井家もその一つです。

1枚目「旧安田楠雄邸庭園」(東京都文京区・東京都指定名勝)、2枚目「駒井家住宅」(京都府京都市・京都市指定有形文化財)、3枚目「トラストトレイン」(静岡県大井川鐵道)。すべて日本ナショナルトラストの保護資産。

ふだんは、専門の先生と資産の保護や調査の方向性を相談し、修理や工事内容を決めたり、保護資産などの活用の企画・実行を行っています。

「ボランティアの方に支えられているところも大きくて、全国にある保護資産では協力しながら資産の維持管理を行っています。イベントの企画や実施はボランティアさんが中心に考えてくれていますね」。

日本ナショナルトラストの職員さんはわずか5人と少数精鋭ですが、さまざまな専門家やボランティアと協力しながら、全国の資源を未来に残す活動に励んでいます。

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今回の取材を通じて、白川村や合掌造りに強い想いを持って活動している人が日本のあちこちにいることを、出口さんやかややね会議のメンバーから教えてもらうことができました。

残念ながら2022年の「秋の一斉茅刈り」は縮小開催となりましたが、また多くの人が茅刈りを通じて白川村を知り、村民と関わる日が来ることを期待しましょう。

公益財団法人日本ナショナルトラスト

住所:東京都千代田区麹町4-5海事センタービル4F

TEL:03-6380-8511

HP:http://www.national-trust.or.jp/

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【レポート】拠点の合掌造り家屋の掃除をしました! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/matsuike-clean202207/ Mon, 25 Jul 2022 11:09:26 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1981 2022年7月12日に、飛騨日日新聞の活動拠点である白川郷合掌文化館(旧松井家)の館内の掃除を行いました!

旧松井家は世界遺産・白川郷合掌造り集落のうちの一棟で「公益財団法人 日本ナショナルトラスト」の所有のもと管理や活用が行われています。

この日は、旧松井家の管理団体である「白川ボックス」のメンバーを中心に、飛騨日日新聞の記者も参加して合掌造り家屋を清掃。

箒や掃除機で床に落ちた茅やほこりを払ってから、雑巾掛けをしたり、柱や壁を拭いたり…窓枠にはっていた蜘蛛の巣も綺麗に取り除きます。

やぶれてしまった障子も張り替えをしました。

掃除の後は「白川ボックス」の総会が行われました。昨年度の活動の報告と、今年度の活動方針を共有します。

以前は「白川ボックス」のメンバーで国内のいろいろな場所へ視察研修に行ったこともあるそう。「自由に行き来ができるようになったら、海外にも勉強に行きたいね」という話も飛び交いました。

すっかり綺麗になった旧松井家。

今後も情報発信の拠点として活用しながら、イベントの開催などもできないかと検討中ですので、どうぞよろしくお願いいたします!

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