平瀬 – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Tue, 30 Jan 2024 07:33:41 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 【白川村ランチ】お食事処 次平 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/jihei/ Fri, 12 Jan 2024 09:27:36 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4708 白川村南部の平瀬地区、「道の駅 飛騨白山」の近くにある「お食事処 次平(じへい)」さん。

地元の村民や仕事で村を訪れる方、近くのひらせ温泉キャンプサイトを利用する観光客など、いつもたくさんのお客さんで賑わっています。

特に平瀬に住む村民にとってはお馴染みの店で、日常的にご近所さん同士が偶然顔を合わせることも。

店を営むのは、梨谷(なしたに)一貴さんとお母様のますみさん。40年ほど前に、ますみさんのお父様が「人の集まる場所をつくりたい」という想いから店を始めました。

現在主に調理を担当するのは、一貴さん。長年、名古屋の和食店や中華、フレンチ、カフェなど幅広い飲食店で働いたのち20年ほど前に白川村に戻り、以降、店の厨房に立ち続けています。

店内は、古民家ならではの風情がありながらも、気負いなく過ごせる雰囲気。カウンター席やテーブル席、奥には団体で利用できる座敷もあります。

真ん中で目を引くのは、立派な煙突のストーブ!もちろん実際に使えるもので、冬場はここで暖をとることができます。

メニューには、飛騨の豚味噌カツ定食や、飛騨牛焼肉カレーといった飛騨地方ならではのものや、リーズナブルにいただけるそばやうどんが並びます。手羽先やたこ焼きといった一品料理もあって、晩酌にもぴったりです。

どれも気になりますが、この日は名物の「元祖トロロのステーキ定食」をいただくことに。

元祖トロロのステーキ定食 1,400円

しばらく待つと、熱々の鉄板がのった定食が運ばれてきました!

トロロステーキとは、旬の山菜や野菜を卵とトロロでとじた料理。ますみさんのアイデアから生まれた、次平さんのオリジナルメニューです。

少しずつ固まる卵を箸で崩しながら頬張ると、しっかり出汁が効いた具材の旨味が口いっぱいに広がります。ふわふわとろとろのトロロと卵、シャクシャクとした食感の山菜や野菜が口の中で一体となって、箸が止まりません!

「この味が大好きで、通いやすい場所に家を決めた」という熱狂的なファンがいるのも納得の味です。

次平ラーメン 730円

そして、もう一品外せないのが「次平ラーメン」。

ベーシックな醤油ラーメンですが、飛騨一本太ネギを使ったスープがじんわり身体に染み渡ります。とろとろの自家製チャーシューに、大きめのメンマ、シャキシャキの飛騨一本太ネギとトッピングもシンプルですが、ラーメンの魅力を引き立てていて、あっという間に完食してしまいました!

ちなみに飛騨一本ネギは店舗の近くにある畑で育てた自家製のものです。

「村民の中には、“ここのラーメンで育った“と話してくれる人もいるんですよ」と一貴さん。

訪れる人を虜にする、次平さんが手がける料理。これからも、村民をはじめたくさんの方に愛されつづけていくことでしょう。

お食事処 次平

住所/ 白川村平瀬188

営業時間/11:30-14:00、16:30-19:00

定休日/木曜日

TEL /05769-5-2152

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地域のために、今できることを。/一般社団法人白川村ローカルアームズ 坂本磨紀さん https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/sakamotomaki/ Mon, 15 Nov 2021 01:58:01 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1407 2021年4月、一時は存続が危ぶまれた「さくら街道白川郷ひらせ温泉キャンプサイト」が、春の訪れとともにリニューアルオープンを迎えました。キャンプサイトの引き継ぎに手を挙げたのは、一般社団法人ローカルアームズの坂本磨紀さん。家業の美容院を営む傍ら、未経験の分野に果敢にチャレンジし、村に新風を吹かせています。

名古屋での美容師時代を経て、地元にUターン。

「僕、10代の頃から美容師をやっていて、キャンプのことは素人なんです」。薪割り機の手入れをしながら、快活な笑顔で話す坂本磨紀さんはキャンプサイトからほど近い白川村平瀬地区の出身。

実家は「HAIR SALON SAKAMOTO」を営んでおり、4代目にあたります。美容師は身近な存在だったものの、中学生の頃は全く興味がなく、経営者になりたいという漠然とした思いから高山市の高校の商業科へ。「なぜ経営者になりたいのかは自分でもわかってなくて。結局、当時流行っていた美容師の道を選んだんですよね」。

名古屋の専門学校卒業後は、名古屋市内で美容師として働き始めます。美容師としての日々は充実しておりコンテストで入賞するほどの腕前に。しかし、坂本さんはあることに気がつきます。それは美容室には高齢のお客さんは足を運ばないということ。その時、HAIR SALON SAKAMOTOの常連の顔が頭をよぎり3年間にわたって、休日返上で通信制の専門学校に通い理容師の資格を取得しました。

その後も仕事に没頭しストイックな生活を送っていた坂本さんの身体は限界に。心臓の不調でそれまでのように仕事を続けることが難しくなります。同じ頃、父親が亡くなり、人生はいつ終わるかわからないことを身をもって感じた26歳の坂本さんが選んだのは地元に戻ることでした。

村の人の思いを継いで、地域のためになることを。

Uターンしてからは家業を継いでハサミを握り、地域の方と親交を深めるようになった坂本さん。「地域のため」を意識するようになったきっかけは、年配のお客さんが口を揃えて言う「地域のためになることをしてほしい」という思いでした。その思いを受け継ぎ、かたちにすることが何よりものモチベーションになっています。「明日どうなるか分からないから今日やる。ただただ、その積み重ねですよね」。

地域のために何ができるか。考えた末に会社設立を検討していた坂本さんのもとにキャンプサイトの運営を引き継ぐ話が舞い込んできます。平瀬地区では保育園の統合やスキー場の閉鎖が相次ぎ、地域の衰退に歯止めがかからない状況で、キャンプサイトも閉鎖の決断を迫られていました。

「最初は会社をつくって農業で雇用を生もうと思っていました。でも、まずは目の前にある課題を解決しようと手を挙げたんです」。一部では上手くいくわけがないという声も上がるなか、地域の人々の協力もあって、2020年12月「一般社団法人白川村ローカルアームズ」を設立、翌4月にキャンプサイトの再開に漕ぎ着けたのです。

子どもたちが帰れる村に。

坂本さんは村の少年野球チームの指導もしています。「子どもたちに将来帰って来いよと言っても、今の村には帰る場所(仕事)がないんですよね」。坂本さんが目指すのは子どもたちが帰れる村をつくること。そのために、まずはキャンプサイトを軌道に乗せて若い世代を雇うことが目標です。

「村の衰退は想像以上のスピードで進んでいて、残された時間は10年もありません。だから、本来は5年かかることを3年で、3年かかることを1年で成し遂げないといけない」。そう語る坂本さんは常に10年後の村の未来を見ています。挑戦はまだ始まったばかり。今、一番必要なのは思いを共に前進する仲間です。 “ローカルアームズ”の社名の通り、地域の色々な人の手を借りながら、“日々、今日できること”を地道にこつこつ積み重ねていきます。

さくら街道白川郷ひらせ温泉キャンプサイト

問い合わせ/090-1782-0455 平日9:00 – 17:00

住所/岐阜県大野郡白川村大字長瀬字あまちの上766-1

HP/https://hirase-camp.com/

Instagram/@hirase.camp.site

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