自然 – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Sat, 03 Sep 2022 09:52:20 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 【郷暮らし手帖】夏休みの川遊び https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/kawaasobi/ Sat, 03 Sep 2022 09:52:18 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2042 白川村のリアルな日常をお届け!
白川村らしい暮らしの一コマをお届けする「郷暮らし手帖」。季節にちなんだ行事や、古くから生活に根付く風習、日常生活の中の意外な一面など、住んでいる人にとっては当たり前、でも実は白川村だからこそ体験できるリアルな日常を伝えていきます。

お話を聞いた人(左から)
坂本陽々登(ひびと)くん、和田彩乃(あやの)さん、 和田春太郎(しゅんたろう)くん

夏休みの子どもたちの楽しみといえば、川遊び。

庄川の流れが穏やかなエリアが定番の川遊びスポットです。

ひと昔前は子どもたちだけで川に出かけていましたが、今は大人の引率が必須。それでも危険はつきものなので、天候やダムの放流などにも気をつけて遊びます。

自分で自由に入れないからこそ、川遊びの日の子どもたちは朝からわくわく!逸る気持ちで川に辿りつくと、早速川に飛び込みます。

気持ちいい!

その冷たさに、最高気温38度を超える時もある、うだるような暑さもすっと和らぎます。

「川には週1回くらいは来てるよ。プールよりも川で遊ぶ方が楽しい!泳ぐのも川で覚えたよ」と坂本陽々登(ひびと)くんと和田春太郎(しゅんたろう)くん。

川での遊び方は無限大。

水遊びに最適な浅瀬から、大人の腰ほどの深さまである川では、悠々と泳ぐのはもちろん、潜水したり、魚を捕ったり、岩場から飛び込んだり…大人や少し年上のお兄さん、お姉さんに習ったり、真似したりしながら、子どもたちは自分の遊び方を開拓します。

この日は複数の家族が集まり、保育園児から高校生までが、性別や年齢に関係なく混ざり合いながら川遊びを満喫していました。

白川村では、早い子は就学前から川遊びデビューするのだとか。中学生や高校生は、小さい子を気にかけながら遊ぶ様子も見られます。

昼過ぎから開始した川遊びは、日が傾き、陽光が穏やかになる時間まで続きます。川からは子どもたちのはしゃぐ声が、賑やかに響いていました。

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合掌造り家屋を村民の手で未来へつなぐ「茅刈り」 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/kayakari2020/ Thu, 26 Nov 2020 03:00:24 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=452 茅の自給自足をめざして

自分たちの手で刈る苦労と喜び

今も育まれる「結」の精神

白川村では秋の稲刈りが終わり、本格的な冬がやってくる頃、合掌造り家屋の茅葺き屋根の「茅」を収穫する「茅刈り」が行われます。例年、イベントとして村外者とともに「秋の一斉茅刈り」を開催していますが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮し、村民だけでの茅刈りとなりました。

茅の自給自足をめざして

初めて茅を刈る村民の方も参加されていました。

合掌造り家屋の屋根材に使われる「茅」は、人の背丈よりも高い全長2mにまで成長するイネ科の植物。

屋根材に選ばれるくらい風雨に強く丈夫な植物で、刈り取るにはたくさんの人手が必要です。

この日は村内の茅場に子どもから大人まで42名が集まりました。

非常に重労働な茅刈りは人手不足が問題となっており、実は村内の合掌造り家屋の屋根材の多くは村外から仕入れているのが現状です。

しかし、世界遺産合掌造り集落を自分たちの手で守るために、村としてはできる限り茅を自給したいという思いがあります。

毎年行われている、秋の一斉茅刈りは茅の自給自足のための地道な一歩なのです。

自分たちの手で刈る苦労と喜び

村民の中にも茅刈りが初めてという方もいたため、まずは茅葺き職人による茅刈りレクチャーからスタート。

茅の中にも様々な生育状況のものがあり、まずは茅葺き屋根の材料として適切な茅を見極めることから始まります。

よい茅とされるのは、人の背丈よりも少し高い2mほどの長さで、真っ直ぐに伸びる茅。

折れ曲がってしまっている茅や生育が足りない茅は収穫せず、来年いい茅が生えてくるよう全て刈り払います。

よい茅を選んだら、一方の手で茅を抱き抱えるように持ち、茎に刃を当てながら、力を入れて刈り取ります。

熟練の職人は、簡単そうに次々と刈り取っていきますが、初心者の中には苦戦する人も。

丈夫な植物だけに刈り取るのにも一苦労です。

両手で抱きかかえられるくらい刈り取れたら藁縄で束ねます。コツは下から5分の3の位置で縛ること。

熟練の村民が束ねた茅は彫刻のように綺麗に整っています。

縛る位置を意識することで、乾燥させるために茅の束を立てた際に、茅の根元側が広がり倒れにくくなるのです。

刈り終わった茅が立ててあると、遠くからでも一目でわかり、スムーズにトラックで保管庫へ運ぶことができます。

黙々と作業を続けることおよそ6時間…この日は724束の茅が刈り取られました!

茅はトラックの荷台に積まれ、茅の保管庫へ。

乾燥させるために一度倉庫に保管されます。

その後職人さんの手で雑草などが取り除かれ、翌年の合掌造り家屋の屋根の葺き替えに使われるのです。

今も育まれる「結」の精神

茅刈りを一度経験すると、屋根の葺き替えをするために十分な茅の量を確保するには、一家族が総動員で刈ったとしても必要な量には到底及ばないことが想像できます。

そのため、白川村には「結(ゆい)」と言われる相互扶助の精神が古くから根付いており、茅刈りも、茅葺き屋根の葺き替えも、村民が一体となって取り組んできました。

世界遺産白川郷が変わらぬ姿であり続けているのは、その背景にこうした村民の地道な活動や白川村ならではの結束したコミュニティがあるからこそ。

コロナ禍のなか村民だけで行われた今年の茅刈りは今も結の精神が育まれていることを物語っています。

茅刈りを終えた村民の表情は爽快感に溢れるものでした。

茅刈り

開催日:2020年11月14日(土)

場所:飯島脇谷茅場

主催:白川郷荻町集落の自然環境を守る会・白川郷合掌家屋保存組合・白川村教育委員会

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自然が織りなす秋の白山国立公園を臨む、10分間の空の旅。 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/helicruising/ Sat, 31 Oct 2020 11:58:58 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=384 白川村の秋のアクティビティとして人気の「紅葉の白山ヘリクルージング」。色鮮やかに染まる白山国立公園大白川園地を空から一望することができます。例年、10月末から11月初旬にかけてのわずかな期間だけ楽しめる特別な企画です。ベテラン操縦士さんの案内のもと、10分間の空の旅へ出かけましょう。

ベテラン操縦士に身を委ね、いざ上空へ。

御母衣ダムから白水湖、クライマックスは白水の滝!

ベテラン操縦士に身を委ね、いざ上空へ。

「初めはみなさん『怖い…』とおっしゃるんですが、乗ってみるとリピーターになってくださる方も多いんです。」

そう語ってくれたのは、いっしょに空の旅をするヘリコプターの操縦士さん。

操縦士歴18年の大ベテランです。

飛行中はヘリコプターを操縦しながら、眼下に広がる景色について丁寧に解説してくださいます。

発着所である「平瀬温泉白弓スキー場」に到着すると早速ヘリコプターとご対面!

飛行中の音から耳を守るためのヘッドフォンを装着し、いざ上空へと飛び立ちます。

初めは恐る恐る乗車しましたが、いざ離陸してみるとあまりの滑らかさに離陸の瞬間がわからないほど

「山の間の気流が不安定な場所だからこそ、一方向に流されることがなく、安定した運転ができるんです。」と、操縦士さんは涼しい顔で操縦を続けます。

ベテランの腕に身を委ねて、ヘリはあっという間に上空へ。

御母衣ダムから白水湖、クライマックスは白水の滝!

まずは、御母衣(みぼろ)ダムが見えてきます。

地上でドライブ中の車窓から眺めても大迫力のダムですが、空から見るとまた印象が違います。

操縦士さんによると、高さ131m、幅405mもの大きさは、国内最大級だそうです。

次第に視界が山並みと空だけになっていき、いよいよコースのメイン「白水湖」へ。

180度見渡す限りの紅葉は圧巻です。白川村には杉やヒノキなどの人工の常緑樹林が少なく、山々は広葉樹に覆われています。山全体が紅葉する景色はなかなか見ることはできません。

そんな一面の橙の中を勢いよく一筋流れ落ちる「白水の滝」。息を飲まずにはいられない美しさです。

こうして12分間のクルージングは終了。最後の着陸まで恐怖心はほとんどありませんでした。

ヘリに乗るという貴重な体験とともに、雄大な自然が織りなす秋の白川郷を新たな視点で楽しむ空の旅。

一度体験したら、病みつきになってしまうかもしれません。

文・飛騨日日新聞記者/今泉夏奈

紅葉の白山ヘリクルージング

開催期間/2020年10月24日(土)〜11月3日(火・祝)

開催場所/岐阜県大野郡白川村木谷868 白川郷平瀬温泉白弓スキー場より離発着

案内所/岐阜県大野郡白川村荻町2495-3 せせらぎ公園内

コース・料金/

1名様

10分コース 30,000円

2名様

3分コース 14,000円

6分コース 26,000円

12分コース 50,000円

3名様

3分コース 18,000円

6分コース 33,000円

12分コース 60,000円

※料金は全て税込です。

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白川村でアウトドア!夏の三方岩岳トレッキング https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/sampouiwadake/ Mon, 17 Aug 2020 08:35:35 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=102 [ トピック ]

  • 「白山白川郷ホワイトロード」からいざ出発!
  • 美しい自然に足を止めて、ゆっくり登山
  • 標高1,736mからのパノラマビュー
白川村は村の面積の96%が山林で、村の一部は白山国立公園内に含まれる、自然豊かな村。
「三方岩岳(さんぽういわだけ)」は、その白山国立公園内に位置する山です。
「飛騨岩」「越中岩」「加賀岩」の3つの大きな岩壁が合わさってできていることが名前の由来で、それぞれ岐阜県側、富山県側、石川県側から聳え立ちます。
三方岩岳に登るには初心者向けの「三法岩登山道コース」「ふくべ谷登山道コース」、中級者向けの「三方岩岳コース」があり、今回ご紹介するのは、最も気軽に登ることができる「三法岩登山道コース」。
片道およそ50分のトレッキングへ出かけましょう。

「白山白川郷ホワイトロード」からいざ出発!

白山白川郷ホワイトロード入り口

白山白川郷ホワイトロードの入り口がある鳩谷から、馬狩料金所を通って40分ほど進むと、登山のスタート地点である三方岩駐車場に着きます。

途中、車窓の景色を楽しみながら山道をぐんぐんと登っていきます。

白山白川郷ホワイトロードは白川村と石川県白山市を結ぶ全長33.3kmの有料道路で、四季折々の雄大な景色を臨むドライブスポットとして人気があります。

現在の愛称が決まったのは平成26年のこと。

地元のご年配の方はからは今でも旧名称である「スーパー林道」と呼ばれ、親しまれています。

白山白川郷ホワイトロードでは、2020年8月1日から5000台限定で通行料半額キャンペーンを実施中です。料金などの詳細はこちら

岐阜県では遭難防止のため、北アルプス地区、御嶽山、白山、乗鞍岳で「登山届」の提出が義務付けられています。

三方岩岳の登山口にも登山届けポストがあるので、しっかりと記入をして投函し、いよいよトレッキングのスタートです!

美しい自然に足を止めて、ゆっくり登山

この日は夏本番の8月上旬。

岐阜県内では夏が比較的涼しい白川村でも、登山ともなれば序盤から汗がじわり。

帽子とたっぷりの水分、タオルや手ぬぐいは必需品です。

急な傾斜は少なく、コースの半分以上は舗装された道ですが、念のためにトレッキングシューズを履いておくと安心です。

このコースは初心者でも周りの景色を楽しむ余裕があるくらい。

植物や虫を観察したり、鳥の声や湧き出る水音に耳を傾けながらゆっくりと登っていきます。

登り口から山頂まであちらこちらに赤トンボ
ふとした瞬間の陽光が美しく足を止める
これだけ大きく育ったものは珍しいダケカンバ

標高1,736mからのパノラマビュー

ゆっくり、のんびりと進んでいたトレッキングも、さすがに山頂近くともなるとやや急斜面に。

暑さに追い打ちをかけられ、口数が少なくなりながらも、パノラマビューに期待して淡々と進みます。

そうして、ようやく三つの岩のうち「加賀岩」の頂上に到着!

白山をはじめ、北アルプス、南アルプス、360度どの方向にも山々が重なり合う絶景が待っていました。

爽やかに吹き抜ける風がとても気持ちがよいです。

清々しい緑の景色が終わると、山全体が紅く染まりはじめ、10月上旬頃からは紅葉スポットとしてもおすすめ。
(写真提供/白山白川郷ホワイトロード管理団体)

と、ここで一緒に登っていた白山白川郷ホワイトロード管理所の所長さんが、三方岩岳のある歴史について教えてくださいました。

石川県側から聳える「加賀岩」

加賀岩の岩肌には大きな洞窟が見えます。

岩の上の人影と比べるとその迫力が伝わるでしょうか。

実は、昭和38年に、この三法岩窟から鎌倉時代前半(13世紀頃)の中国製の水を注ぐ器が発掘されました。

これは古代から修行僧が霊峰白山へ登拝していたことの証。

現代のように道は整備されておらず、装備も十分にできないなか、わらじ一束でこの山道登っていたのかと思うと、気が遠くなるようですが、それだけ白山地区の山々は信仰の対象として大切にされてきたということでもあります。

最高峰「飛騨岩」頂上から
山頂では景色を楽しんだり、腹ごしらえをしたり、思い思いの時間でひと休み
インスタントコーヒーも山の上で飲むと格別!

山頂は風があるからか案外涼しく感じられ、何時間でも滞在したくなりますが、白山白川郷ホワイトロードの料金所にはゲートの閉門時間があるので注意が必要。

夏場は午後7時にはゲートが閉まります。

駐車場が見えてきたらゴール目前

頂上での絶景を満喫して、下山します。。道幅が狭いところでは、すれ違う登山客と「こんにちは!」とあいさつを交わしながら、下へ下へ…

帰り道は往路と同じ道筋を辿るので、心なしか少し早く感じられます。

無事、ゴールの三法岩駐車場まで戻ってきました。

ほどよい疲労感と達成感に、気分は爽快です!

白川村にはこの他にもブナの原生林がある秘境大白川や、トヨタ白川郷自然學校など初心者でも気軽にアウトドアを満喫できるスポットがたくさんあります。

コロナ禍において、休日の過ごし方や遊び方が見直され始めているなか、これまでアウトドアには縁がなかったという方も、白川村の大自然を体感してみませんか?

白山白川郷ホワイトロード

開通期間:6月上旬から11月10日まで

HP:https://hs-whiteroad.jp/

三方岩岳

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