2023年7月25日、白川村荻町で天龍宮祭(てんりゅうぐうさい)が行われました!
天龍宮祭は、白川村荻町の合掌造り集落の東の外れにある天龍宮で行われる東上(ひがしかみ)組の村民を中心にした小さな祭です。
かつてこの地区では、土砂崩れなどの自然災害が多く発生していたのですが、神を敬うことで災害を鎮めようと、昭和23年から毎年7月25日に欠かさず行われています。
祭礼は午後からですが、東上(ひがしかみ)組の村民は朝から準備に取り掛かります。
まずは草抜き。日光が強く射していましたが、午前中は神社のある場所はちょうど日陰になるので比較的爽やかな気候です。
草抜きがある程度終わると、男性陣が中心となってのぼりを立てていきます。
鳥居の前や、敷地の脇に大きなのぼりが立てられると、一気に祭の雰囲気が出てきました!
社殿周りも、神主さんたちが中心となって整えられます。
そして直射日光に長時間当たりながらの祭礼は大変…ということで、大きな日除けも設けられました。
午前中の準備はこれで終了。それぞれ昼食をとるため、一旦解散です。
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午後1時を回ると、いよいよ祭礼が始まります。
社殿に上がるのは、宮司さんや補佐役の禰宜(ねぎ)さん、雅楽を奏する楽人さん、議員さん、東上組や一般参拝者の代表者の方。その他の東上組の村民は、午前中に設置した社殿の前の日除けの下で参拝します。
午前中は日陰になっていた境内にも強く日光が差し込み、日除けのありがたさを感じます。
村民たちに見守られ、神主さんが祝詞を奏じ、神事が粛々と執り行われていきます。蝉の鳴き声がする中、神楽の音色も真夏の青い空に響き渡っていました。
そんな様子を見ていると、炎天下の中でも気持ちがシャンとして、背筋が伸びてくるから不思議です。
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無事に祭礼が終わると、秋のどぶろく祭より一足先に、獅子舞も披露。
演じるのは、荻町の獅子舞保存会です。迫力ある舞に思わず釘付けになります。
普段は観光客が足をあまり運ばないひっそりとしたエリアですが、太鼓と笛の音に引き寄せられ、いつの間にか境内の外には多くの観光客が。熱心に舞を見入っていました。
獅子舞が終わると、天龍宮祭はこれにて終了。祭の後は速やかに片付けをして、最後はみんなで飲み食いする直会(なおらい)が行われます。日が暮れるまで、賑やかな時間が続くのでした。
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白川村では、天龍宮祭以外にもこうした小さな地区単位での祭が、村民の手によって執り行われています。祭はもちろん、準備や、祭の後の交流をみんなで行い、こうした積み重ねが、村民の結束をまた、強くしていくのです。