料理自慢の村民の“食卓”にお邪魔します!
ばあちゃんの味 4軒目 | 平田若子さんの「きくらげの白和え」
白川村鳩谷で暮らす平田若子さんの自慢の料理はこりこりと歯応えのよい白川村産の肉厚なきくらげを、ずっしりと身の詰まった宮部豆腐の“石豆腐”で和えた「きくらげの白和え」。
白だしのあっさりした味付けですが、その食感に病みつきになりついつい箸がのびます。豆腐の代わりにえごま味噌やからしを和えてもおいしくいただけます。
前日から乾燥きくらげを水で戻し、煮込んで味を染み込ませるため、シンプルながらも手の込んだ一品。
「きのこはいくら煮ても煮崩れしないから料理しやすいの。食物繊維がたっぷりで栄養満点よ」。若子さんは、きくらげを白和えの他に、炒め物や天ぷら、味噌汁など様々な料理でよく食べるそうです。
そして、当日は豆腐を湯通しして、よく冷ましてからすりばちですりながら、味付けをしていきます。この日使った「石豆腐」は白川村の名物で、その名の由来は「石よりも硬い」ことから。藁でしばった豆腐を縄で吊り下げて合掌造り家屋の二階から落としても型崩れしなかったという言い伝えもあるほどです。村ではきくらげの白和えを法事や祭りなど、大勢が集まる時にどっさり仕込みます。
「今ではみんなで集まる機会は減ってしまったけど、村らしい料理といえばこれやね」と微笑む若子さん。脈々と継がれてきたこの料理は、きっとこの先も村の食卓で愛され続けるでしょう。