移住に関するさまざまなテーマのトークをお届けする「移住ってどう?」。今回は、白川村で育った村民の二十歳を祝う「二十歳を祝う会」の開催直前に、その企画・運営を担う実行委員会のメンバーであり、数年前に村にUターンした3人にお話を聞きしました!

石田聖也さん
白川村稗田地区出身。大学時代を岐阜県大垣市で過ごし、2020年にUターン。「合掌造り民家園」で働く。

大野日茉梨(ひまり)さん
白川村保木脇地区出身。大学卒業後、名古屋市で働いたのち、2022年にUターン。実家の土木事業所と、アルバイトとして旅館で働く。

大溝 琴さん
白川村飯島地区出身。大学卒業後、2023年にUターン。実家の土産物卸会社と、アルバイトとして土産物屋で働く。
豪雪地帯である白川村では毎年、村外に住む村出身者が帰省しやすいお盆に、「二十歳を祝う会」が行われます。3人はその企画・運営を担う「二十歳を祝う会」の実行委員会のメンバーです。みなさんはなぜ、実行委員会に参加しようと思ったのでしょう?
石田 僕は青年団に入っているのですが、他の団員から誘われて参加しました。自分自身、成人式で祝ってもらってとても感動したので、次の世代にも伝えたいと思って。
大野 村の広報で「二十歳を祝う会」の実行委員会の募集を知って、同級生の琴さんを誘って参加を決めました。私たちの代は大雨で式典が中止になってしまったんですけれど、記念品として恩師の先生が出演したDVDをいただいたのがとても嬉しくて。後輩にも同じように喜んでほしいなと思いました。

大溝 私も自分の時は式に参加できなかったからこそ、関わってみたいと思いました。白川村の成人式は、今はこうやってみんなで作り上げるものになっていますが、昔はそうではなかったそうで、父が成人式の運営に携わったころにやり方をいろいろと変えていったそうです。そんな話を聞いていたのも、参加したいと思ったきっかけの一つですね。
実行委員会ではどんなことをしていますか?

石田 7月初旬から1〜2週間に一度集まって、企画の検討や、当日の進行の確認をしています。
大溝 毎年村民やゆかりのある方の写真を100枚くらい集めるんです。実行委員会みんなで手分けして撮影していますね。
大野 お祝いの品や、式典で振る舞う軽食の内容も考えます。結旨豚(ゆいうまぶた)や白川村で採れた野菜、村のお店のベーグルやチーズケーキを考えています。あとは当日企画しているクイズのために、二十歳のみんなにアンケートを取ったりもしていますね。
当日はどんな役割があるのでしょうか?

大溝 仕事がある実行委員会のメンバーもいるので、参加できる人で式を運営します。
大野 私と琴さんはクイズ企画で司会をします。緊張しますが、私たちも楽しみです!
今年の二十歳を迎える村民は全員村外から集まるそうですね。みなさんも一度は村外に出てUターンされたそうですが、昔から村に戻ることを考えていましたか?
大溝 私は昔から実家の土産物の卸売会社「笑顔屋」を継ぎたいと思っていたので、2023年春に大学を卒業して戻ってきました。

石田 僕は大垣市で大学時代を過ごしていましたが、やっぱり地元が住みやすく感じたので、卒業した2020年に戻ってきました。
同級生でUターンしている方はあまりいないのでしょうか?
石田 そうですね。25人中4人くらいです。
大溝 私たちの代も同じくらいです。村の人からも「帰ってきたんだね!」とよく驚かれます。
大野 私は2022年に戻りましたが、元々は村に戻ることは考えていなかったです。村外にいる同級生は、白川村は仕事が少ない、都会と比べたら刺激がない、と思っている子が多い気がします。

大溝 でも最近は、若い人がお店や宿を始めていて、私はすごく刺激を受けているし、白川村での暮らしがとても楽しいです。だからこそ、白川村の暮らしの魅力をもっと知ってほしくて、村出身の人や、村の仕事や暮らしに興味がある人が交流できるイベントを日茉梨さんと一緒に計画しています。
大野 Uターンした私たちが伝えるからこそ、意味があるんじゃないかと思っています。
石田 観光客も、合掌造り集落をさっと見るだけの人が多いけれど、もっと村の行事などを通じて村民と観光客が関われるといいですね。この実行委員会にも移住者の人が参加してくれていますが、移住者と元々の村民で協力しながら、一緒に村を盛り上げられればと思います。
2023年8月14日、実行委員会の尽力が実り「二十歳を祝う会」は無事に開催されました。今年二十歳を迎えた方々の中から、今後村に戻って実行委員会に関わる人が現れ、さらに次の世代へと受け継がれていくといいですね。

今回の会場
旧平瀬小学校を活用した施設、白川村南部地区文化会館(NBK)。会議などに使えるラウンジや学習室に、図書室、調理室、トレーニングルーム、音楽室などがあります。