雪がまだ残る2月のある昼下がり、旧白川小学校の調理室で、白川村や周辺地域の発酵食品を用いた試作会が開催されました!
この会は、日本の発酵文化の素晴らしさをフランスに伝えるために活動しているユニット「kuramotours(クラモトゥール)」さんから白川村へのお声がけで実現したもの。
クラモトゥールのメンバーであるオレガン愛美さんはオリジナル発酵調味料の販売や伝統調味料の海外プロモーション、Fabien Fleury(ファビアン フルーリー)さんはワインの講師や日本酒の広報、Fanny Fernandes(ファニー フェルナンデス)さんは東京でフランスの家庭料理を提供するお惣菜屋さんと、それぞれ料理や発酵に関わる仕事に携わっています。
今回は、発酵食品を持ち寄り料理をしながら試食をしようということで、発酵食品に関心があったり、料理好きの白川村民もメンバーに加わりました。
参加した白川村民は、古代米を使った甘酒や、自家製の漬物や味噌、トチモチなど、発酵食品をはじめとした手作りの食品や料理を持参。
そしてクラモトゥールのメンバーも、道の駅やスーパーなどでこの地方で作られた豆腐や野菜などを用意していました。
さらに、ファニーさんのオリジナルミックスハーブや、愛美さんのオリジナル発酵調味料などもあり、調理台はさまざまな材料や調味料でいっぱいです!
それぞれ持参した料理や食材を紹介しながら、早速調理がスタート!
最初に手に取ったのは、ほうれん草。
オリーブオイルでかさが減るまで炒めて一度取り出し、同じフライパンで豆腐を味噌といっしょに炒め合わせます。火が通ったら再度ほうれん草をフライパンに戻し、あっという間に完成です!
こちらはじゃがいもと里芋。同じくオリーブオイルで炒めてから、愛美さんの会社で作られているハーブの効いた発酵麹大豆フレークをまぶします。ハーブが香ると、一気に料理が洋風に。いい香りが調理室を包み、お腹が空いてきます…!
最後にもう一品。千切りしたカブを、オリーブオイル、ビネガー、醤油で作ったドレッシングで和え、細かく切り刻んだ干し柿、ナッツ、南瓜のタネをふりかければ、見た目にもとっても鮮やかな一皿ができあがりました!
みなさん料理が得意な方ばかりあって、包丁さばきやフライパンの使い方がとってもスムーズ!
時おり試食を挟みながら、調理はどんどん進んでいきます。白川村のお漬物や味噌、豆腐の話から、フランスの家庭料理、発酵食品の豆知識など、さまざまな食の話題が飛び交い、それぞれの食文化の違いに驚きながらも話が弾みます。
そして、あれよという間にすべての料理が完成しました!
村民のみなさんが持参した料理とともに、できたてを試食。
「ハーブを使うと、なじみの野菜も一気におしゃれな味になるね」
「味噌はいろんな使い方ができるし、個性的な食材も受け止めてくれるね」
どれも初めていただく料理ばかりですが、どこか懐かしいような、それでいて新しいような、新鮮だけどほっとする味わいです。
「たとえば、キクラゲはフランスでは中国料理の食材と思われていて、日本で採れたものだとは知らない方がほとんどです。でも“昔から村で自生しているキクラゲを採っていたんだよ”という話を知ると、すごく魅力的に感じます。ぜひそういったストーリーを外国の方にも伝えてほしいです」
外国からの観光客も多い白川村で、今後活かせそうなお話も聞くことができました。
たくさん食べて、話しているうちに、試作会の時間は終了。お腹が満たされるとともに発酵食品や多様な食文化についての理解も深まりました。
今後、白川村ではクラモトゥールのみなさんと交流を続けながら、白川村では発酵食品の生かし方について考えていきます。
どんなかたちになっていくのか、どうぞお楽しみに!