- 今だからこそできる新しい成人式を
- たどり着いた答えは“村民参加型”
- 新成人に届け!ドローン空撮大作戦
豪雪地帯である白川村は岐阜県で唯一、お盆の時期に成人式が開かれます。 毎年、荻町にある野外博物館「白川郷合掌造り民家園」に新成人とその家族が集まり、色鮮やかな浴衣を身にまとった新成人の門出を祝う、村ならではの成人式です。 しかし、多くの新成人が進学や就職で村外で生活しているなか、今年は新型コロナウイルスの影響で例年通りの開催が難しい状況に…。 「成人式実行委員会」である村の青年会のメンバーは、コロナ禍でもみんなで新成人を祝える方法がないかと話し合いを重ね、たどり着いたのが「オンライン成人式」でした。
今だからこそできる新しい成人式を
白川村では毎年、青年会を中心とするメンバーが成人式実行委員会として式の企画、運営を担っています。
今年も2020年8月14日に、成人式が開催される予定でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、村では村民や新成人の健康を第一に考え、新成人が帰村して行う通常通りの成人式を開催することは難しいとの判断をしました。
それでも実行委員会では、29名の新成人の門出を祝いたいと話し合いを重ね、6月初旬に「村民みんなでお祝いする新しい成人式」をテーマに、成人式をオンラインで開催することを決定したのです。
その企画は、子どもたちの成長を村全体で見守ってきた白川村だからこそできる、あたたかい成人式でした。
たどり着いた答えは“村民参加型”
今年の成人式を実行委員長として指揮したのは、高森 純豊(たかもり あやと)さん。
高森さんは、オンライン成人式に踏み切ったときのことをこう振り返ります。
「動画の配信などは全くの素人ですが、新型コロナウイルスの影響で、オンラインでのイベントや会議が行われているのを見て、自分たちにもできるかもしれないと思ったんです。例年通りには開催することができないという、ただでさえマイナスからのスタートだったので、いつも以上に新成人の皆さんや村民のみなさんに満足していただける企画が必要だと考えました。」
そこで、高森さん率いる成人式実行委員会がたどり着いたのがオンラインでの「村民参加型」の成人式です。
新成人だけでなく、村民一人一人が成人式をつくる側になることができれば、きっと楽しんでもらえる。そう信じて、手探りの準備が始まりました。
新成人に届け!ドローン空撮大作戦
村民みんなでお祝いする新しい成人式は、「新成人へのお祝いの品の募集」、「ドローンでのお祝い動画の撮影」、8月14日当日に村内の各会場で新成人とテレビ電話をつなぐ「パブリックビューイング」の3本立て。
どれも村民の協力なしでは実現できない参加型の企画です。
果たして村民のみなさんに参加してもらえるのか…。そんな実行委員会の心配とは裏腹に、7月19日に行われたお祝い動画の撮影会には、子どもからご年配の方までたくさんの方々が集まりました!
動画の撮影は村内4つの地区にそれぞれ会場を設け、実行委員会と役場職員で結成された撮影部隊が朝から順に駆けつけて実施。
撮影当日は、それまで連日続いていた強雨が嘘のように晴天に恵まれ、絶好のドローン日和となりました。
旧小学校舎の窓からみんなで顔を覗かせたり、軽トラックの上に乗ったり。新成人のご家族以外の村民もみんなノリノリで撮影に臨みます。
七夕飾りやオリンピックの応援グッズをアレンジして、手作りのお祝いグッズを準備してきていた村民も!
村ではそれぞれの地区を中心に地域ぐるみで子どもの成長を見守っているので、村の子どもたちの成人は、誰にとっても我が子の門出のように嬉しいんです。
村の中でも、最もお祭り騒ぎ好きの「平瀬地区」では、まるで運動会の応援団のような熱気に溢れた撮影に!
お祝いの気持ちを乗せた「おめでとーーー!!!」という力強い掛け声が轟きました。
言葉通り、村民みんなで取り組んだ1日がかりの撮影は大成功!
29名の新成人のみなさんは喜んでくれるでしょうか…。
8月14日に行われた成人式当日の様子は近日中に改めてお届けしますので、お楽しみに。