雪 – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Mon, 04 Dec 2023 10:01:31 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 【郷暮らし手帖】シェアハウスの雪囲いを外しました! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/yukikakoi-hazushi/ Tue, 09 May 2023 11:43:22 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=3315 春を迎えた白川村では、すっかり雪解けが進み、緑の草木が芽吹いています。

そんな4月中旬のある日、移住体験シェアハウス「やまごや以上ほしぞら未満」(通称「やまほし」)では、「雪囲い」を外す作業が行われました!

雪が少なかった今年の冬。村内のほとんどの家や店舗では、3月に雪囲いを外し終わっていましたが、ようやく「やまほし」でも、雪囲いを外すことができました。

参加したのは、やまほしの住民と管理を行っている一般社団法人ホワイエのメンバー。

屋根から落ちてきた雪や、積雪による雪の重みから窓を守ったり、家の中に雪が入り込まないようにするために、主に家屋の窓のある箇所を囲いで覆う「雪囲い」。そのやり方や材料は建物によりさまざまですが、やまほしでは立てかけた木の柱にトタン板を並べて固定し、雪を凌いでいました。

▷雪囲いの様子をまとめた記事はこちら

早速、冬の間お世話になった雪囲いを外す作業がスタート。

まずはトタン板を外すために、柱に固定していたネジをインパクトを使って緩めていきます。

実は、やまほしの住民は全員インパクト初心者!なかなか最初はコツがつかめず苦戦…。

全て緩め終わったら木の板とトタンを外していき、建物の脇へ。状態が良いものは保管しておいて来年も活用します。

そして、柱と垂直に設置していた木の板をくくりつけていたビニール紐を外せば…1ブロックの雪囲い外しが完了です!

この作業を、合計4箇所で行います。

役割分担を行ってテキパキと作業。インパクトの扱いにも、段々と慣れてきました!

そして、1時間ほどであっという間に作業は終了!

12月に雪囲いをしてから、実に4ヶ月ぶりにまっさらな状態の外観が姿を見せました。

ようやく本格的に春を迎える準備ができ、一安心。やまほしの周りには、つくしも顔を出していました。

今年はコロナウイルスの感染状況もずいぶん落ち着き、4年ぶりにさまざまなお祭りやイベントも開催できそうな白川村。

飛騨日日新聞でも、日々の暮らしの様子に加え、コロナ禍以前のかたちで行われる村ならではの取組みをどんどん発信していきますので、どうぞご期待くださいね!

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【郷暮らし手帖】冬の訪れを告げる雪囲い https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/yukikakoi/ Tue, 13 Dec 2022 21:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2717 多い年は2メートル以上の雪が積もる豪雪地帯・白川村。そんな白川村の冬を越すのに欠かせない作業が「雪囲い」です。

屋根から落ちてきた雪や、積雪による雪の重みから窓を守ったり、家の中に雪が入り込まないようにするために、主に家屋の窓のある箇所を囲いで覆います。

12月初旬のある日、飛騨日日新聞の編集部も週に数日滞在しているシェアハウス「やまごや以上ほしぞら未満」の雪囲いをしました!

毎年、本格的に雪が降り出す11月ごろから村内では雪囲いが行われます。雪囲いをされた建物を見ると、いよいよ冬がやってくるな〜と実感。近所で雪囲いが終わっていくなか、自分の家の雪囲いが終えられていないとソワソワしてきたりもするんです。

雪囲いのやり方や使う材料は、家庭や建物によってさまざま。ちなみに、世界遺産に登録されている荻町の合掌造り集落では、景観に配慮しオダレ(茅を編んだ簾状の雪囲い)を用いることが多いですが、今回はトタン板を使って雪囲いをしていきます!

まずは支柱となる角材を、軒下に立てかけ、ビニールロープを巻き付けて外壁と固定します。

この日は朝から小雨が降っていて、なかなかの寒さ。だんだんと湿っていく軍手と格闘したり、かじかんだ手でビニールロープを結んでいく作業は、初めてだとなかなか大変…。

続いて、トタン板を立てかけるための横軸となる細長い板を、先程立てかけた角材と垂直に付けていきます。こちらもビニールロープで固定。

これでトタン板を立てかける土台が完成です!

身長以上の長さのある角材や板を一人で扱うのは、慣れていないと至難の業。みんなで協力しながら作業を進めます。

土台ができたら、トタン板を重なり合うように立てていきます。

さらにトタン板を固定するために、土台の横軸の板に重ねるように、再び細長い板を付けていきます。ちょうど、トタン板を細長い板と板で挟むようなかたちです。

板の上からインパクトドライバーでビス締めを行えば、完成です!

この作業を、シェアハウスの表側と裏側の合計5箇所で行っていきます。

朝9時過ぎにスタートした雪囲いは、お昼の防災行政無線が聞こえてからも続きました。作業終盤には、雨が上がって、少しだけ晴れ間ものぞいていました。

そして作業を始めてから約3時間、ついに全ての雪囲いが終了しました!お疲れ様でした!

***

労働の後は、やまほしの近所にある「次平」さんへ。ラーメンやトロロステーキが定番ですが、この日はカツカレーをいただきました。冷えて疲れた身体によくしみるおいしさです。

*次平さんへは今後取材に伺う予定です。お楽しみに!

雪囲いの数日前には初雪も観測され、いよいよ白川村の長い冬が始まります。果たして、今年はどれほど降るのでしょうか…?飛騨日日新聞のWEBサイトや、Instagramtwitterなどで随時情報を発信していきますので、どうぞチェックしてみてくださいね。

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【郷暮らし手帖】はじめての雪国暮らし https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/satagurashi-01/ Tue, 19 Apr 2022 12:37:04 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1569 白川村のリアルな日常をお届け!

お話を聞いた人
白井洋光さん(白川村地域おこし協力隊)

白川村の冬の朝は、雪かきから始まります。2021年秋に地域おこし協力隊として村に赴任した白井洋光さんも、その例外ではありません。

白井さんは現在、「深山豆富店」で村伝統の「すったて」(大豆を茹でて石臼などですりつぶしたもの)や石豆富(縄で縛っても崩れない固い豆腐)づくりを行っています。愛知県で生まれ育った白井さんにとって、豪雪地帯での暮らしははじめての経験です。

12月半ばの初雪から溶けることなく降り積もる雪は、いつの間にか背丈を優に越える高さに。道路の雪は除雪車が除雪をしてくれますが、自宅周りの雪かきは住民自ら行う必要があります。雪に埋もれた自家用車を救出することは、白井さんの毎朝の日課となっています。

スノーダンプ(ソリのように雪を乗せて運ぶことができる道具)とスコップを使って、15分ほど雪を除けていると、凍えるような白川村の冬の寒さでも、じんわりと汗ばんでくるといいます。さらに月1回は、屋根に積もった雪の「雪下ろし」も行います。

「雪かきのやり方は教えてもらいましたが、実際に自分でやるとなると難しいですね。雪の重みでスノーダンプやスコップが折れてしまうこともありました」。

はじめての雪国暮らしでは、その他にも慣れないことが多いそう。水道管が凍ってしまうので、破裂しないように水を出しっぱなしにしたり、「水抜き」(水の元栓を閉め水道管の水を抜くこと)をすることも移住してから知ったことのひとつです。

「地域の方や先輩移住者から、日々村での暮らしを学んでいます」と白井さん。周りの人の力を借りながら、雪国での慣れない暮らしに少しずつ馴染んでいます。

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【座談会】豪雪と闘い暮らしを守る、白川村の建設会社 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/kensetsu/ Tue, 13 Apr 2021 10:40:47 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1057 多いときには人の背丈を優に越える2メートル以上もの積雪を記録する豪雪地帯白川村。延々と降り積もる雪で村一帯が覆われます。そんな冬の村の生活道を守るのは、村内8社の建設会社。毎年初雪が降る11月から3月上旬には、土木の仕事を休み、除雪作業に専念します。除雪の裏話や赤裸々なトークが満載の、建設会社3社による特別座談会をお届けします。
[プロフィール](写真左から)
沢田康仁(さわだ・こうじ)/ 沢田建設株式会社
中森孝博(なかもり・たかひろ)/ 御母衣建設株式会社
坂次正行(さかつぎ・まさゆき)/ 小坂建設株式会社

まず初めに自己紹介をお願いします。

沢田 沢田建設の沢田康仁です。除雪歴は26年かな。

中森 御母衣建設の中森孝博です。除雪歴は20年くらいです。

坂次 小坂建設の坂次正行です。僕は高速の除雪をしていたことはありますが、白川では除雪歴3年。まだ初心者マークのほやほやです(笑)。うちは除雪をするのは1人で、誰も教えてくれる人はいないので、現場に出て勉強中です。

沢田 それはすごいな! 1人なんや。

坂次 ずっと気が張ってるから、すごく疲れるよ。孤独との戦い。その分の責任感はある。誰のせいにもできないからね。

沢田 最初の頃は緊張したよなあ。一人前になるまではどれくらいかかったかな?

中森 1人で任せられるのは5年かな。除雪車には誰でも乗れるけど、雪の状態や道路のことを覚えるとなると5年ですね。いろんな雪の降り方を経験してね。

沢田 数えられないくらいのパターンがあるよな。

中森 みんな自分の担当区域は目をつぶってでもできるんじゃないかと思うくらい、ガードレールや道路標識の位置とか全部把握してますね。

沢田 自分の担当区域は完璧に把握しているけど、他の区域はようやらんね(笑)。

除雪は何時からスタートしますか?

沢田 朝3時に起きて、雪の状態を確認してみんなに電話で出動の連絡をする。除雪作業がスタートするのは4時くらいかな。

中森 うちは3時出発。2時に起きて、現場を一通り確認する。御母衣から荘川まで行くんですけど、一度行って帰ってきて積雪の状態を確認したら、みんなを電話で起こす。

坂次 うちもそれくらいだな。基本的には、担当区域が通勤や通学の人が通行し始めるまでに終わるように。そこから逆算して、雪の量によって3時の日もあれば、4時の日もある。

沢田 沢田建設の担当区域は白川郷学園の通学路が含まれているから、特に子どもたちのことが気にかかる。もし、歩道が雪で通れなくて、子どもが車道に出でしまったら事故にもつながるから。

坂次 スクールバスが通るまでには絶対仕上げるようにしてるな。

中森 どうしても間に合わない時はひとまず1車線を開けるんです。片道15kmくらいの区間だから、全部やってると間に合わないんですよね。

それだけ朝が早いと生活のリズムも変わりますよね。

沢田 冬の期間だけは完全に除雪に合わせた生活リズムになりますね。

中森 21時にはもう寝てしまうかな。

坂次 天気予報で翌日降らないとわかったときは爆睡ですよ(笑)。

中森 大体、Yahooとお天気.comとウェザーニュース、3つのお天気アプリを確認して、あとはその時の振り方を見ればだいたい翌朝の積雪の様子が想像つく。年によって当たるアプリが違うんだよね。

沢田 でもさ、毎日起きてると除雪ない時でも目覚めるよな(笑)。目覚ましより先に起きちゃう。

中森 わかる、わかる。この感覚がもとに戻るまでは1週間くらいかかるんだよね。曜日感覚もなくなる。

沢田 冬の時期は決まった休みはないし、今年は大晦日も正月も出動してたもんなあ。

中森 僕は過去に家族旅行中に大雪になることが分かって、目的地に着いてすぐに除雪のために一人だけ帰ってきちゃったことがあるよ。もうお父さんとは旅行行かないって言われた(笑)。

白川村の除雪の技術力は非常に高いと聞きました。

中森 直接言われたことはないけど、白川は除雪がきれいみたいだよね。10年くらい前までは業者間で差があったけど、最近はどの業者でも技術力がかなり高い。

坂次 それはあるかもしれない。アスファルトが見えるまで除雪するところは他の地域ではほとんどないんじゃないかな。

沢田 僕は高山出身だけど、高山と比べても全然違う。でも、それは技術力の高さだけではなくて、雪を捨てる場所があるからだと思うんだよね。

中森 高山には雪捨てる場所がないもんね。

沢田 そうそう、除雪をしても雪を除ける場所がないから沿道に溜まっていってしまう。その点、白川は田んぼや使っていない土地を村民が無償で提供してくれるから、僕たちも雪を捨てに行けるんだよね。

除雪を続けられている原動力はなんですか?

中森 それはもう仕事だからとしか言いようがないよなあ(笑)。

沢田 村のみんなの生活に直結するから休むわけにはいかない。

坂次 村民の生活を守るという、使命感かな。

沢田 昔は40歳も過ぎれば、除雪作業は若手に世代交代できたけど、今はもう平均年齢が40代くらいになってきている。人数が多かった時は交代制でできたけど、今は1人が12時間除雪し続けることも少なくない。会社も減ってるから担当区域も広くなったしね。

中森 そもそも建設業界に入ってくる若い人がいないですよね。飛び込んできたとしても、経験がいるから時間がかかる。大変な仕事だけど、みんな責任感を持ってやっています。どんなに夜中に電話しても電話に出る。中には寝ぼけている人もいるけど(笑)。

沢田 そうやな。昔に比べれば機械がよくなって、ずいぶんと除雪しやすくなってるから、僕は結構楽しんで乗ってます。除雪中に子どもたちが手を降ってくれたり、地域の方が温かい缶コーヒー差し入れてくれることとか、励みになりますよね。今年もあともう一息かな!

みなさん、本日はありがとうございました!

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