白川郷学園 – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Thu, 18 Jan 2024 07:22:09 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 【座談会/移住ってどう?】村の教育を担う、白川郷学園 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/ijyuttedou07/ Wed, 17 Jan 2024 07:01:36 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4792 移住に関するさまざまなテーマのトークをお届けする「移住ってどう?」。今回は白川村唯一の学校であり、小中一貫の義務教育学校であ る「村立白川郷学園」(通称“学園”)に勤める3人の先生に、村の教育についてお話を聞きました!

春見(かすみ)拓哉さん
飛騨市出身。白川郷学園は3年目で9年生の担任。 家族で白川村に移住。

黒岩由季さん
高知県出身。 白川郷学園は初任校で3年目。 7年生の担任。赴任に伴い、現在は白川村に住む。

水野礼菜(あやな)さん
白川村荻町出身。 白川郷学園は3校目で3年目。 養護教諭。

春見 赴任前は飛騨市の学校にいたので、知り合いの先生から「地域との関わりが強い学校」とは聞いていました。最近は働き方改革に伴って教員が地域と直接関わる機会は少なくなっていますが、白川郷学園はそういった流れとは一線を画する方針ですね。保護者はもちろん、多くの地域の方がそういった学園の考え方を理解されていて、とても協力的です。

黒岩 私は高知県出身で、岐阜の大学に通っていたのですが学園の前知識はほぼありませんでした。赴任して感じることは、学年を超えた繋がりが強いことです。1年生と9年生が教室を行き来することも珍しくないですね。クラス替えがないので、他学年の授業をこどもたちが見学しあって、授業の様子や学ぶ姿勢を知る取組みもあります。

水野 私は白川村出身ですが、子どもの頃はまだ白川郷学園はなく、村の小中学校は別々でした。でも村民全員が親戚みたいなので、学年の壁がない雰囲気は昔からありましたね。

春見 教員自身も、担任以外の子どと関わることが多いですね。以前は自分の受け持ちクラスが「自分の生徒」という認識が強かったのですが、ここでは他の学年の子も慕ってくれるので、自然と「学園の子ども全員が自分の教え子」と思うようになりました。

春見 各学年で村民学の方向性は決まっていますが、具体的な内容は個々のクラスで考えます。私が担任する9年生の今年のテーマは「住み続けたい村」。観光客の多い白川村を住みやすくする方法の一つとして、観光客のゴミ捨てマナーの向上について考え、実践しています。課題設定や何をどう取り組むかも、全て生徒主体で決めています。

黒岩 私が担任する7年生は「担い手学習」に取り組んでいます。村にUターンして新たに事業を始めた人から、村外で活躍する陸上自衛隊員まで、生徒が興味を持った“挑戦している人”に話を聞きます。

水野 学園と地域を繋ぐ「ふるさとアドバイザー」をはじめ、村民学は地域の方の協力で成り立っていますね。私も村出身なので、村の方を紹介することもあります。でも、子どもたちから村のあの人に話を聞きたい、となるのは大人と子どもの距離が近い白川村ならではですよね。

春見 村民学以外でも部活動を指導する方がいたり、サークルで年代関わりなくいっしょに活動したりと、接点が多いですよね。私自身も、どぶろく祭で自分の子どもを連れて行った時に、学園の生徒たちが自然と遊んでくれて、人と関わることに躊躇がない子が多いのだと改めて感じました。

黒岩 ICT教育にも早くから取り組んでいるので、タブレットでの資料作成やプレゼンも得意な子が多いですね。

春見 一方で、少人数なのでどうしても学習面では切磋琢磨しにくい雰囲気があります。もう少し学習環境を整えたいです。

水野 生まれた時からずっと自分のことをよく知る人に囲まれていて優しい子が多いのですが、高校で環境がガラッと変わるので戸惑う子もいますね。

黒岩 関わる人の多様性が限られるので、村外との接点を意識的に作っていますよね。6年生を「ジュニア観光大使」に任命して、全く違う環境で育った修学旅行生を案内したり、事前に交流する取組みも行っています。

黒岩 私はプライベートでも親しくなった方に山登りやスノーボードに誘ってもらうなど、村ならではの人付き合いのありがたさを感じています。教育でも、村の方との繋がりを大切にしたいですね。誰でも学校見学できる「地域公開日」には、近所のお年寄りも来てくれます。学園だけでなく、村の方と一緒に子どもたちを育てたいです。

春見 教師が子ども一人ひとりに向き合える強みを生かしつつ、学習面など改善すべき部分を補っていきたいです。

水野 一般的な学校の良さと学園の強みが合体した、ハイブリッドな教育ができる学園にしていきたいですね!

今回の会場

白川小学校と白川中学校が統合し、2017年に開校した白川郷学園。「ひとりだち」を教育目標に、自立、共生、貢献の資質を育む9年間の連続性を生かした教育を行っています。

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【郷暮らし手帳】子どもたちの身体とこころを育む給食 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/kyusyoku/ Tue, 30 May 2023 09:51:13 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=3308 学校生活の楽しみの一つといえば給食。白川村唯一の学校「白川郷学園」に通う子どもたちにとっても、給食は待ち遠しい時間です。

午前中の授業が終わると、お腹をすかせた子どもたちが廊下に飛び出します。給食当番の子どもたちは白衣に身を包んで配膳を進め、準備ができたら「いただきます!」。

その地方ならではの食材や料理が振る舞われることも多い学校給食。白川村の給食も、さまざまな工夫や、特色ある取組みが実践されているということで、取材に伺いました。

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お話を聞いたのは、栄養教諭の川原昌士先生。2021年4月に白川郷学園に赴任されました。

「白川村の給食は、すべて白川郷学園の横にある給食センターで作られています。学園だけでなく、保育園の給食も作っていますよ」。

給食センター

白川郷学園と保育園に通う子どもたち、先生などの職員を合わせ、給食センターで作られる給食は毎日約200食。複数の学校をまとめて作ることも多い他の自治体と比べると、量は少なめです。その分、メニューを柔軟に組み立てることができたり、手作業も多いため“家庭料理”っぽさが出るそう。

「給食の特徴としては、村の素材をふんだんに取り入れているところですね。地域の方々にいろいろな食材を提供してもらっています」。

結旨豚に、サンフラワーさんや大田ファームさんのお米や野菜、白川合掌豆腐宮部豆腐店さんや深山豆富店さんの豆腐やすったて…さらにマイタケやキクラゲなども村で採れたものを活用。自分たちの地域で育てられたものを、地域でいただく“地産地消”が日常的に実践されています。

さらに、白川郷学園ではただ「食べる」だけでなく給食を「作る」「考える」取組みにも力を入れています。

その一つが、岐阜県教育委員会が主催する「中学生学校給食選手権」への参加。

過去に受賞した献立は食品サンプルとなって展示

白川郷学園では毎年8年生(中学2年生)が参加し、上位の成績を収めています。この選手権では、自分たちで献立を考え、決勝戦では生徒だけで調理した給食を試食してもらいます。

2022年度は飛騨産コシヒカリのタケノコご飯や、鉄分が豊富な鹿肉の唐揚げ、特別支援学級の児童生徒が作ったじゃがいもとパプリカの中華和え、白川郷土産で人気の「紫蘇もなか」の皮を使った中華スープといった、地域の食材を活用し、見た目や栄養バランスにもこだわった献立で大会に挑戦。白川村らしい地域や人とのつながり“結”も表現されたメニューは、見事、県農業協同組合中央会会長賞を受賞しました。

2022年度の中学生学校給食選手権の献立(県農業協同組合中央会会長賞受賞)

もう一つの取組みは、「結クラス希望献立」。コロナ禍で黙食となった給食の時間をなんとか楽しくしたい、という生徒や先生の想いから始まったものです。

「結クラス」とは、白川郷学園の1〜9年生の縦割りグループのこと。休み時間や掃除、給食などの時間の多くは、結クラスで過ごします。

「結クラス希望献立」は、その年のテーマに沿った給食について結クラスで話し合い、献立を作りあげるというもの。2022年度は“ヘルシー”をテーマとした9つの献立ができました!

「完成した献立は、給食センターで調理され、給食としてみんなでいただきます。子どもたちは自分たちで作ったメニューを食べるのをとても楽しみにしていて、“今日はあの班の献立だよね”と話しています。コンテスト形式で行っているので、それぞれの給食を互いに評価して、グランプリも決めているんです」。

「結クラス希望献立」を通じて、子どもたちがより給食や食事を楽しむようになったと、保護者からも好評なのだそう。

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白川村の給食を一任されている栄養教諭は、他の自治体より規模は小さいながら、一人でやらなければならないことも多いそう。それでも、大変さよりも「やれることがたくさんあることが楽しい」と川原先生は語ります。

「給食を、ただの食事の時間で終わらせてほしくないんです。その献立や素材の裏にあるストーリーや背景を知ることで、給食がより楽しく、学びの多い時間になればいいなと思っています」。

今後は、古代米やもち麦、まこもだけ、サンフラワーさんのいちじくなど、まだ活用できていない村の食材を給食に取り入れたい、と意気込みます。

「子どもたちの日々の暮らしや遊びの中にあるものと、食を結びつけていけるといいですね」。

子どもたちの身体とこころに健やかにする給食。

白川村では、食べるだけでなく、考え、作ることによって、村の自然や、産業、文化など、さまざまな面に目を向けるきっかけや、コミュニケーションを育む場にもなっています。

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白川郷学園の8年生といっしょにヒダニチの記事を作りました! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/shirakawago-gakuen2023/ Fri, 03 Mar 2023 11:16:46 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2997 飛騨日日新聞009号では、白川郷学園と飛騨日日新聞のコラボ企画の記事「白川村の教育の裏側に迫る!」が掲載されています。

実はこの記事、白川郷学園の8年生といっしょに「村民学」の授業で作ったものなんです!「村民学」とは村の未来を担う子どもたちが自分たちのふるさとについて学ぶ白川郷学園独自のカリキュラム。

飛騨日日新聞では、昨年度に引き続き「村民学」の講師として参加し、子どもたちが取材や編集について学ぶ授業をさせていただきました!

昨年度の授業の様子

今年度、取材対象となったは「学校運営協議会」。

白川村の教育は、地域との密接な関わりが特徴となっていますが、白川郷学園と地域をつなぐ役割を果たしているのが「学校運営協議会」です。村民や保護者、学識経験者など、地域のさまざまな大人によって組織され、「地域活動部」「学校支援部」「家庭サポート部」の3つの部隊に分かれて活動をしています。

そこで今回は、8年生の生徒たちとどのように記事を完成させたのかを、少しだけご紹介します!

授業の様子

初回の授業で、まずは取材や編集の全体的な流れや、必要な準備について学びます。どんな目的で、誰に届けたい記事を作るのか、そのためにどんな準備が必要なのか…冊子をつくる上での基本的なことを勉強してから、授業の最後には、取材の質問項目をグループで話し合って決めました。

第2回の授業では、白川村教育委員会の新谷さゆりさんから「学校運営協議会」についての話を聞きました!8年生の生徒たちもなんとなく知っていた「学校運営協議会」の意義や取組みについて、深く知ることができたようです。

そして、3回目はいよいよ取材!「地域活動部」「学校支援部」「家庭サポート部」のキーパーソンに、直接話を聞きます。

質問はたくさん考えてきましたが、いざ取材となると緊張してなかなかうまく話せなかったり、対話が続かなかったり…初めての取材はなかなか苦労している様子も。そんななかでも、熱心に耳を傾けながらメモを取ったり、撮影を行ったりと、取材を一生懸命行ってくれました。

最後の授業では、記事の書き方についての講義。

たくさんの人に記事を読んでもらうため、取材したことを整理し、文章を書く際に気をつけることを学んでから、実際に自分たちで手を動かしながら記事を作成し、写真の選定を行います。

8年生といっしょに作った飛騨日日新聞が完成!

そして、ついに完成したのがこちらのページです!

完成した飛騨日日新聞を見て、8年生のみなさんも嬉しそうです!

「飛騨日日新聞を見ているだけではわからなかったけど、取材をして記事を作るのは時間も手間もかかって、とても大変なことだとわかった」

「完成まで苦労したけど、できあがった記事をたくさんの人が見てくれていると思うと嬉しい!」

「取材をして普段聞くことができない話が聞けて、白川村の良さを改めて知ることができた」

といった感想を語ってくれました。

8年生のみなさん、3か月間お疲れさまでした!

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村民学の授業では、今回の授業のほかにも、合掌造りや“結”、獅子舞といった白川村ならではの地域の活動や伝統文化について、地域の人から学び、体験することで、将来村の担い手として活躍できるような力を育んでいます。村民学を学んだ子どもたちがどのような大人に成長していくのか、これからが楽しみですね!

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白川村での愛しい思い出を、次の世代へ。/下方大誠さん https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/shimokata_taisei/ Wed, 06 Jul 2022 09:42:02 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1801

「いつかは白川村に戻りたい」と想いを抱いて。

2020年の年の瀬。白川村鳩谷地区出身の下方大誠(したかた たいせい)さんは約10年ぶりに白川村での暮らしをスタートしました。

中学卒業後は、所属していたバレー部での活動が評価され、岐阜市の高校へ進学。コンビニやスーパー、娯楽施設が近くにあり、何でも手に入る便利な暮らしは、当時15歳の下方さんには刺激的でした。

「もう少し街での生活を楽しみたい」と、高校卒業後は岐阜市の会社に就職。けれども、心にはいつも白川村の存在がありました。

「地元を離れてからも、長期休暇にはいつも村に帰っていました。いつも父が指導するバレー部のコーチ仲間たちがお酒の席に誘ってくれて、それが楽しくて」。

どぶろく祭の練習にも特別に参加させてもらい、お酒を振る舞ってもらったこともあったと言います。

あたたかく迎えてくれる故郷の人たちへ、いつか恩を返したい。そんな想いがだんだんと募り、社会人生活6年目の年に、白川村へ戻る決心をしました。

仕事も地域の活動も。大切にしたいものに積極的に取り組む。

Uターン後、下方さんは祖父が創業し、現在は叔父さんが経営する「有限会社 和田工業所」へ就職。

ホイールの研磨というこれまでに経験のない仕事を任されています。前職は営業職だったという下方さんにとって、手先の器用さや経験が求められる今の仕事は苦労も多いと言います。

それでもこの仕事を選んだのには理由がありました。

「他の仕事先からも声をかけてもらったんですが、祖父が創った会社を残したいという気持ちが昔からあって。まずは今任されている仕事を全うしながら、将来的には、今と形が変わったとしても継いでいきたいと思っています」。

そんなことを少し照れ臭そうに、けれども熱く語ります。

勤務先の有限会社 和田工業所の社屋

また、岐阜市にいた頃は仕事中心の生活でしたが、現在は地域の活動にも日々参加。

「青年会では成人式実行委員を務める予定です。自分たちも楽しませてもらっていい思い出になっているから、次は楽しませる番かな。次の世代にも喜んで欲しいですね」。

自身のバレー部での経験を生かし指導

さらに、白川郷学園のバレー部のコーチや、消防団員も務め、夏からは3年ぶりの開催が期待される伝統行事「どぶろく祭」の獅子舞の太鼓役の練習も始まります。

幼い頃から参加していた地域の伝統行事「どぶろく祭」の獅子舞

「昔から獅子が好きだったんです。Uターン前から次はお前だって言われていました」。

旧友や新たな仲間と共に 。

そんな下方さんの願いは、白川村で共に育った同級生たちが村に帰ってくること。

「地元を離れて初めて、村で育った同級生とは特別な関係だったんだと気付いたんです。今は村外にいる友人も“いつかは村へUターンしたい”、“子育ては白川村でしたい”という同級生も多いんですよ」。

そのためには仕事や住む場所の課題を解決しないと、と語ります。

「仕事がないからUターンできない、という話もよく聞くので、仕事の情報を積極的に発信してもらえるといいですよね。あとは、まちでは当たり前の働き方も白川村ではそうでなかったり、女性の正社員の働き口が少ないことも課題だと感じます。そういったことが少しづつ解決していけるといいなと思います」。

また昔からの関係だけでなく、村への移住者との新たな交流も生まれています。

「転勤で白川村に来ていた人は、よく近所の家の飲み会に参加してましたね。まちでの転勤だと、なかなかそういう関係はできないですよね」。

聞けば、その方は別の場所に異動になってからも、よく白川村に遊びに来てくれるそう。

「白川村に縁もゆかりもない移住者であっても、個人的には壁は感じていません。わざわざ白川村に移住する人は変わり者ですよね(笑)。でも、ありがたいことだと思います。出身者、移住者関係なく、一緒に村を盛り上げていきたいです」。

白川郷学園のバレー部の子どもたちと

白川村で過ごした愛しい日々を次の世代にも。下方さんの「恩返し」は始まったばかりです。


下方 大誠(したかた たいせい)さん

白川村鳩谷地区出身。中学校卒業後、岐阜市内の高校へ進学し、岐阜市で就職。2020年に白川村へUターン。現在は有限会社 和田工業所に勤務。

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【白川郷学園だより】ヒダニチによる村民学の授業がスタート! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/shirakawagogakuendayori-0621/ Mon, 21 Jun 2021 12:47:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=1351 2021年6月から白川郷学園の8年生に向けて、飛騨日日新聞による村民学の授業がスタートしました!これから来年の3月まで10名と一緒に白川村の「情報」について学んでいきます。

初回6月18日のテーマは「なぜ白川村にとって情報が“武器”になるんだろう?」

「白川村第二次総合戦略〜いつまでも住み続けたい村づくりマスタープラン〜」には「ひと・しごと・まち」に並び「情報」が村づくりの要として掲げられています。「いつまでも住み続けたい村づくり」になぜ情報が必要なのかを考えました。

真剣な表情でたくさんメモを取りながら授業に参加していた子どもたち。次回は実際に飛騨日日新聞がどのような工程でつくられていくのかを学びます!

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【白川郷学園だより】「村民のひとり」を育てる、少人数学校の教育。/鈴木大介先生 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/shirakawagogakuen-suzukisensei/ Mon, 08 Mar 2021 04:55:42 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=978 少人数学校だからできること

生徒は「村民のひとり」として接する

子どもたちには個性と可能性を伸ばして欲しい

白川村唯一の学校「村立白川郷学園」。平成29年度から小中一貫の義務教育学校として、村の全ての子どもたちの教育を担っています。今回の「白川郷学園だより」では、独自の教育を行う白川郷学園開校時に赴任された鈴木大介先生に、白川郷学園ならではの学びについてお話を伺いました。

少人数学校だからできること

私は平成29年4月の白川郷学園開校時に赴任してきて、現在4年目です。開校時に赴任した教職員は私を含めて2名しかいませんね。それくらい入れ替わりが激しいんです。

もともと少人数教育や郷土教育に興味があって、赴任する前からプライベートで白川村には来ていました。観光ではなくて、平瀬の温泉で白川村がどんなところなのかをおばあちゃんから話を聞いたりしていました。

いつもとても明るく元気な鈴木先生。専門教科は理科。

赴任してからも休日に生徒と村内を歩いたり、寄り合いに参加したりしています。そうしたら、徐々に地域の方から声を掛けていただけるようになってきました。みなさんよく話してくれるので、15分で歩ける道を1時間とか1時間半かかかる時もあるんです(笑)。

学校って敷居が高く思われていることが多いのですが、自分の足で地域を歩いてみて、村の方々が私のことを地域の一員としてみてくれるようになりました。そうすると、地域と学校の距離がぐっと近くなるんです。これは小さな村ならではだと思います。

生徒には「村民のひとり」として接する

地域の方とお話ししていると、困っていることや相談事を聞くことがあります。そんな時、私は地域の方から聞いたことを「〇〇さんが、こんなことで困っていたよ」と、そのまま子どもたちに伝えます。そうすると子どもたちはどうしたら解決できるか真剣に考えてくれるんです。

村の小さな課題を子どもたちが自ら考え、それをどう解決するか考える。これは白川郷学園が独自に行っている「村民学」の授業にも繋がっています。ただ単に「ふるさと大好き!」という郷土愛ではなくて、自分たちの村のことについて学び、そこにある資源をどう活かして解決するかというところまで考えることが大切だと思います。

子どもたちは学園の生徒という以前に、白川村の村民のひとりです。

古くから受け継がれてきた物事を大切にしながらも、子どもたちを中心に新しい文化を作っていくためには、一人一人が地域に対して影響力があるという自覚を持って欲しい。自分たちが暮らす地域のことを考え、行動することを促すことが私たち教員の役割だと思っています。

良識を持った村民が増えれば地域がさらによくなるし、それは村だけではなくて、村の子どもたちが社会に出た時に社会全体にもきっと良い影響を与えます。

子どもたちには個性と可能性を伸ばして欲しい

村民学の授業では外部講師とともに、白川郷の新しいお土産「ゆいのわ」の開発から販売までを行った。

昨年度、当時の8年生(中学2年生)の村民学の授業では、子どもたちが村のお土産を新しく開発して販売するプロジェクトを行いました。

村民学の授業では村の課題を示した上で、それをどう解決するか、アイデア出しから子どもたちに委ねています。そうすることで、一人一人が自分にできることを最大限活かそうと頑張ります。できることというのは、普段学校で教えられている国語や数学といった勉強だけではありません。人と話すことが好きな子は接客をしたり、絵を描くのが得意な子は商品を売り場で紹介するポップを作ったり。これが個性を伸ばすことに繋がるんです。

もちろん国語や数学といった学習も大切ですが、社会で直面する問題は、何か一つの教科の知識で解決できるものではなく、複合的な力が必要なことばかりです。いつか白川郷学園での勉強が役に立ったということに気づいてくれることを願っています。

「ひとりだち」が学園の教育目標。村内には高校がないため卒業後は村外に進学する。

一つのことを達成すると、子どもたちは次から次へと色んなことに挑戦し初めて、それが子どもたちの可能性を広げていきます。そんな子どもたちの姿勢を受けて、私たち教員や大人は子どもと同じ目線で、自分たちも困っていることを赤裸々に話して一緒に考えていくことを意識しています。そうすると全員でプロジェクトを進めている意識になり、一体となることで普段は気がつかない色んなことが見えてきます。

村民学で一緒にプロジェクトに取り組んだ当時の8年生は、この春卒業を迎えます。将来、みんなが自分自身を大切にしながら、周りの人たちのことも大切にして欲しいと思います。そのためにも白川郷学園を卒業して別の環境に行っても、自分の個性を大事にして、色んな人と関わりながら可能性を広げていって欲しいですね!

白川村立白川郷学園

住所:岐阜県大野郡白川村鳩谷614-1

HP:school.shirakawa-go.org

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山本慎一郎さん/山本佐太郎商店 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/yamamotosataroushoten/ Thu, 24 Dec 2020 21:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=616 岐阜市の老舗油問屋「山本佐太郎商店」4代目の山本慎一郎さんは、2019年5月からの1年間、白川郷学園8年生(中学2年生)とともに「村民学」の授業を通して白川村の新しいお土産開発に挑戦しました。16人の子どもたちともに、村民に愛されるおやつを目指し誕生したのが、白川村産米粉を使った焼き菓子「ゆいのわ」です。

山本さんが白川郷学園8年生と出会ったのは2019年5月のこと。

学園の子どもたちが村の未来の担い手として自分たちのふるさとについて学ぶ「村民学」の授業を通して、村の新しいお土産開発として味づくり、マーケティング、プロモーション、デザインにチャレンジしました。

(ゆいのわ誕生の詳しいストーリーと授業の様子はこちらからぜひご覧ください)

白川郷が日本有数の観光地でありながら、村内の土産屋に並ぶ商品はほとんどが村外でつくられていると知った山本さんと子どもたち。

村民に愛されるおやつを目指して開発したのが白川村産米粉を使った焼き菓子「ゆいのわ」です。

ゆいのわは現在、土産物屋や飲食店など村内限定で販売されています。

山本さんは講師として授業への参画の誘いを受けたとき、当時8年生の担任だった鈴木大介先生の「学校は人との“違い”を学ぶ場所。子どもたちには“多様性”を感じて欲しい」という考えに深く共感をしたそう。

人口1600人の小さな村では会う人、関わる人の多様性がどうしても限られてしまいます。

だからこそ子どもたちに外の人との関わりを持って欲しいという白川郷学園の寛容な姿勢は、小さな村特有の閉鎖的なイメージに反しとても新鮮に感じられたといいます。

鈴木先生をはじめ、村役場の職員、授業をコーディネートする十六銀行など授業をつくりあげるメンバーの熱意を受け、山本さんは迷わずプロジェクトへの参画を決めました。

「当時8年生だった子どもたちは、次の春には卒業を迎えます。10年、20年先の白川村でもゆいのわが愛され続け、成長した子どもたちがまた別のかたちでゆいのわに関わる姿が見てみたいですね」。

1年間の授業が幕を閉じた今も、山本さんはゆいのわと子どもたちの未来に期待を寄せています。

ゆいのわ

http://kankou.shirakawa-go.org/yuinowa/

大地のおやつ

https://www.m-karintou.com/

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白川郷学園8年生の授業に参加しました! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/%e7%99%bd%e5%b7%9d%e9%83%b7%e5%ad%a6%e5%9c%928%e5%b9%b4%e7%94%9f%e3%81%ae%e6%8e%88%e6%a5%ad%e3%82%92%e3%81%95%e3%81%9b%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%9f%e3%81%a0%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%ef%bc%81/ Fri, 18 Dec 2020 02:39:57 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=677 2020年12月16日(水)に、白川郷学園8年生の「村民学」の授業に飛騨日日新聞が講師として参加させていただきました!

村民学は村の未来を担う子どもたちが自分たちのふるさとについて学ぶ白川郷学園独自のカリキュラムです。

村自慢のお米「白川郷こしひかり」のPRに取り組む8年生といっしょに、お米の魅力をどうやって言葉で伝えるかを考える50分。

グループワークも交えながら文章に磨きをかけていきました!

この日つくった紹介文は白川郷こしひかりのHPに掲載される予定ですので、リリースの際はぜひご覧ください。

現在、白川郷こしひかりは白川郷学園8年生イチオシのお米として、ふるさと納税の返礼品になっています。

ふるさと納税のサイト(ふるさとチョイス)の商品ページはこちら

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