食 – 飛騨日日新聞 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi 飛騨日日新聞は白川村での暮らしや文化、 そこに生きる村民のストーリーを届けるメディアです。 Mon, 08 Apr 2024 02:43:29 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.4 【白川村ランチ】合掌 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/gassho/ Wed, 27 Mar 2024 01:55:03 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4904 合掌」さんは、「せせらぎ公園駐車場」に隣接する、多くの観光客が行き交う場所に立地する食事処。

合掌造りの建物に、「喫茶」「お食事」「おみやげ」と書かれた大きな看板が目印。駐車場からもよく見えます。

店内は合掌造りらしい、古民家の趣あふれる雰囲気。テーブル席は40席ほどありますが、駐車場から近いとあって団体で予約する観光客も多く、いつも賑わっています。

食事スペースの隣には、お土産コーナーも。定番の白川郷土産がずらりと並んでいます。食事の前後にさっと購入できるのはありがたいですね。

合掌さんがオープンしたのは、約50年前。現在店主として切り盛りされている森崎良已(よしみ)さんのおばあさまが始められました。

開店当初は山菜を使った料理が中心でしたが、時代の移り変わりと共に朴葉味噌や飛騨牛、白川村のブランド豚・結旨豚などを取り入れたメニューを開発してきました。その他にもそばやうどんといった麺類から、栃餅ぜんざい、だんごといった甘味まで、幅広くそろいます。

そんな合掌さんで最近人気なのは、村の郷土料理「すったて」(大豆を茹でて石臼などですりつぶしたもの)をアレンジしたメニューだと聞き、早速注文!

飛騨牛すったてラーメン ¥1,300

現れたのは、一見鍋料理にも見える「飛騨牛すったてラーメン」!

まずは自家製のすったてをたっぷり使ったスープを一口いただくと、濃厚な大豆の風味が口いっぱいに広がります!少しピリ辛にアレンジされていて、スープだけでも飲み干してしまいたくなる、癖になる味わい。細めの中華麺にもよく絡み、箸がどんどん進みます!

真ん中に添えられた飛騨牛は、旨みと甘みが凝縮していて、ラーメンをワンランクアップしてくれています。トッピングには、濃厚なスープのお口直しにぴったりな人参やもやし、水菜、食感が楽しいきくらげが添えられ、完璧なバランスです!

すったて結旨豚坦々うどん ¥1,200

もう一品いただいたのは、「すったて結旨豚坦々うどん」。こちらも大きな鍋に入って登場です!

お椀に少しずつよそっていただきます。

濃厚なすったてスープは、飛騨牛すったてラーメンよりもやや辛みが強く、胡麻の風味が豊か。やわらかく煮たうどんともマッチしています。たっぷり盛られた結旨豚のミンチもスパイシーで、食欲を引き立てています。こちらも病みつきの美味しさで、一気に完食してしまいました!

村の郷土料理をアレンジした、新たな白川郷名物が味わえる合掌さん。定番の白川郷グルメを味わい尽くした方も、ぜひ訪れてみてくださいね。

*現在合掌さんでは一緒に働いてくれる方を募集中です。興味のある方は、電話(05769-6-1419)にてお問い合わせください。

合掌

住所/岐阜県大野郡白川村荻町小呂2495-3

営業時間/9:00~16:00

定休日/なし

TEL /05769-6-1419

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自然と人が交わる地で、新たなかたちの拠点を営む/稲葉健治さん、翔子さん https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/inabakenji_shoko/ Mon, 25 Mar 2024 10:02:57 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=5068 自然と人、モノが交わる土地で開いた念願の宿

2023年7月、白川村御母衣(みぼろ)地区に誕生した「サルガバンバ」。

“温泉ホステル&発酵レストラン&ガレージサウナ”という新たなかたちの拠点を営むのは、愛知県出身の稲葉健治さん、翔子さんご夫妻です。

健治さんは13年のサラリーマン生活ののち、ダイニングバーの店長を務めていました。一方、翔子さんは身体に優しいスパイス料理を提供する店に勤めていました。

幼少期から国内外を巡り、いつか自分の宿を開きたい、と夢を持っていた健治さん。2021年の暮れ、同じ想いを抱いていた白川村の友人にかつて旅館だった空き家を紹介されると、豊かな森や川、人やモノが交わる三叉路という立地が気に入り、お二人は移住を即決。2022年の夏から宿の工事に着手しました。

日本中を旅する中で出会った大工や外構職人、クロス職人、電気工事士といった仲間の力を借り、時には寝袋で寝泊まりしながら、ほぼDIYで作業を進めます。

御母衣ダムで見つけた流木や、美濃焼の器やタイル、トチの木といった岐阜にゆかりのあるものと、自分たちが築いてきたつながりの融合によってできあがった建物は、二人のセンスが光るのはもちろん、それぞれにストーリーが込められています。こうして約1年かけて完成したサルガバンバは、2023年7月にオープンに漕ぎ着けました。

いくつもの目的がある場所で、多様な人が混ざり合う

サルガバンバの客室は全部で3部屋。ミニマムで洗練された空間で、大きな窓からは自然を間近に感じられます。繋がりのあるyggpranksさんが作成したひょうたんライトに明かりを灯せば、幻想的な雰囲気に様変わり。華美な装飾やサービスはありませんが、気持ちよく過ごせる場所となっています。

大白川温泉の源泉掛け流しの露天風呂は貸し切り制。春夏秋冬それぞれの季節の移ろいを感じながら、心ゆくままにのんびりとくつろげます。シャンプー、トリートメント、ボディーソープは生分解率95%のオリジナルのオーガニックシリーズを備え付けていて、川の上流に住むものとして環境への配慮も欠かしません。

2023年10月にはサウナも完成。元々解体予定だったガレージをおもしろく活用したいとできあがった薪ストーブのサウナは、ヨモギ水のロウリュも楽しめます。

さらに、入り口近くには物販スペースも。同じく移住者である大豆村沙里さんのカゴバックやアクセサリー、高山市のhugさんのアパレルといった“地元のもの”と、お二人が信頼をおいている“友達のもの”が揃います。

そして、「人や情報が交わる場所になれば」と併設されたレストランでは、白川村の山菜やきのこ、自分たちの畑で手がけた野菜や、近隣で作られた無農薬野菜、村のブランド豚・結旨豚を使った身体に優しい発酵食を提供。調味料は、白川村荻町にある白川郷HAKKO堂さんの味噌や麹を活用し、ケチャップやマヨネーズも手作り。地酒からナチュールワイン、海外からセレクトしたクラフトビールなど、お酒も豊富に並びます。

さらに、音楽や、食、お酒が楽しめるイベントも不定期で開催。

白川村にこれまでなかった、見た目も味も洗練された料理や非日常感がありながら居心地のよい空間は、観光客はもちろん、幅広い年代の村民を惹きつけ、今までにない出会いや交流が生まれています。

白川村の子どもたちが、村の可能性に気づく場所になれば

「ものが溢れている場所はもちろん便利に間違いないですが、ないならないなりに、何でもできます。やりたいことがあって移住したんだから、楽しまないともったいないですよね」とお二人。

当初は「見られている」感覚だった村民との距離感も、店を利用してもらい、自らも地区の運動会や、どぶろく祭といった地域の行事に参加する中で、「見守られている」認識に変わったと語ります。

白川郷学園から中学生の職場体験を受け入れも行い、中には「ここで働きたい」と手をあげる高校生も。

「白川村は将来の選択肢が少なくて村を出てしまう子どもたちも多いですよね。でも、この村にあるものは素晴らしくて、街に出なくてもかっこいいことがいくらでもできるのだと、この場所から伝えられたら最高です」。

白川村の未来を明るく変えていく、新しく力強い風が、今、吹き始めています。


稲葉健治さん、翔子さん

愛知県出身。共に名古屋市で飲食業に従事した後、2023年4月に白川村に移住。温泉ホステル&発酵レストラン&ガレージサウナ「サルガバンバ」を営む。

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【白川村ランチ】白川郷 民宿兼レストラン 古志山 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/lunch_koshiyama/ Tue, 12 Mar 2024 12:09:08 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4948 白川村鳩谷地区の村唯一のコンビニの向かいにある「古志山」(こしやま)さん。

東京から移住した西本定弘さん、由香さんご夫婦が営む民宿兼レストランです。

立派な瓦葺きのひさしをくぐり店内に入ると、天井が高く、開放的な空間が広がります。梁や柱の木材の色が白い壁に映え、モダンで温かみのある雰囲気。席数も多く、ふだんは団体の旅行客も多く受け入れています。

入口脇には、「古志山」と書かれたオリジナルのさるぼぼなどを購入できるお土産コーナーも。

メニューには、観光客に人気の飛騨牛定食や、手軽に食べられるうどんやそば、カレーなどが揃います。

おすすめはおでんがメインの「世界遺産定食」ということで、早速いただくことに。

世界遺産定食 ¥1,700

大きな器にたっぷり盛られているのは、村内にある「宮部豆腐店」さんのあげ、がんも、白川村の郷土料理である石豆腐のおでん。他にも大根やこんにゃくなどが入って具沢山です!口にいれると、噛んだ瞬間じゅわりと出汁の旨みが広がります。

村内では珍しいおでんの定食ですが、寒さが厳しい冬の白川村にはぴったりの一品で、食べ応え十分。ベジタリアンの観光客にも好評です。

登山が趣味で、「いつかは地方に移住したい」と考えていた西本ご夫婦。富山県や山梨県などで移住先を探している最中、たまたま旅行で訪れた白川村で古志山に宿泊し、当時のスタッフと意気投合。ちょうど古志山では次期店主を探しており、何度も通う中で店を引き継がないかと誘いを受けました。

もともと仕事や住居の関係で白川村を移住先の候補とは考えていませんでしたが、縁を感じた二人は即決。運営母体である平成エンタープライズと相談しながら数ヶ月かけて準備を進め、2023年5月下旬にオープンに漕ぎつけました。

移住後は、どぶろく祭など村の行事に進んで参加したり、近所の村民と親交を深めたりと、白川村の暮らしも満喫しています。

「現在、ランチの時間はツアーの観光客が中心ですが、今後はカフェメニューにも力を入れて、村の方にも気軽に訪れてもらえるお店にしていきたいです」と定弘さん。

これから観光客だけでなく、村民にも愛されるお店となっていきそうです。

白川郷 民宿兼レストラン 古志山

住所/ 白川村鳩谷49-1

営業時間/10:00-18:00

定休日/なし

TEL /05769-6-1051

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【白川村ランチ】白川郷 お食事処いろり https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/irori/ Thu, 01 Feb 2024 00:25:29 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4683 白川村荻町の世界遺産集落のバスターミナル近くに店を構える「白川郷 お食事処いろり」さん。

元々、白川村飯島地区にあった建物の木材を生かして合掌造りを建て直し、現在の場所で店を始めたのは1980年ごろのこと。当時はまだ観光客も少なかったため、集落にある飲食店の中でも、先駆け的な存在です。

現在は、風情ある合掌造りでさまざまな郷土料理をいただけるということで、世界中から訪れるお客様で賑わっています。

中に入ると、テーブル席や広々とした座敷席があり、村内の飲食店の中でもかなり席数が充実しています。コロナ禍を機に設けられたというカウンター席もあるので、一人でも気兼ねなく食事できますよ。

そして、店内の中央には、店名にもなっている立派な「いろり」が!鍋の高さを固定するための木彫りの魚も目をひきますね。

メニューは、創業時から定番の山菜そばやうどんから、地元の「宮部豆腐店」さんの豆腐を使った焼き豆腐、観光客に人気の結旨豚や飛騨牛を使った定食、カレーまで、メニューは50種類以上と豊富!

結旨豚みそ焼き定食 ¥1,740

この日は、白川村らしいものをということで、村のブランド豚を使った「結旨豚みそ焼き定食」をいただくことに。

メインの結旨豚みそ焼きに火を入れて数分待つと、香ばしい匂いが漂ってきて、食欲を刺激します…!

結旨豚に火が通ったら、朴葉みそをたっぷりつけていただきます!

脂が甘くてジューシーな結旨豚に、甘辛い朴葉みそが絡んで、白飯が進むついつい箸が止まらなくなるおいしさです。シャキシャキのネギも、さっぱりしていていいアクセントになっています。

(左上から時計回り)川魚の甘露煮、味付き豆腐、蕎麦、豆腐の佃煮

定食には、骨まで柔らかい川魚の甘露煮に、宮部豆富店さんの味付き豆腐、本物のお肉のような見た目と味がする豆腐の佃煮、ほっとする温かい蕎麦もセットになっていてボリュームたっぷり。これひとつで郷土料理を存分に堪能できます。

ちなみに、いろりさんではコロナ禍を機に夜の営業も行っていて、アルコールメニューや一品料理も取り揃えています。白川村ならではの「どぶろくセット」も気になりますね!素泊まりで訪れた観光客や、晩酌を楽しむ村民にも重宝されています。

現在、いろりさんを切り盛りするのは、山下直美さんご一家や、いつも元気にお客様を出迎えてくれる店員さんたち。

「世界中のお客さんが、おいしいと言ってくれるのがやっぱり嬉しいですね。コロナ禍が落ち着いてかなり忙しいですが、夜営業も地元の方や観光客に好評なので、できる限りはやっていきたいですし、可能ならバスを待つ人たちが休憩できるよう、通し営業もできるといいなと思っています」と直美さん。

これからも、観光で訪れる人や、ここに暮らす人にとって、憩いの場であり続けてくれることでしょう。

白川郷 お食事処いろり

住所/ 白川村荻町374-1

営業時間/10:00-14:00、土〜火曜17:30-21:00

定休日/不定休

TEL /05769-6-1737

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【白川村ランチ】お食事処 次平 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/jihei/ Fri, 12 Jan 2024 09:27:36 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=4708 白川村南部の平瀬地区、「道の駅 飛騨白山」の近くにある「お食事処 次平(じへい)」さん。

地元の村民や仕事で村を訪れる方、近くのひらせ温泉キャンプサイトを利用する観光客など、いつもたくさんのお客さんで賑わっています。

特に平瀬に住む村民にとってはお馴染みの店で、日常的にご近所さん同士が偶然顔を合わせることも。

店を営むのは、梨谷(なしたに)一貴さんとお母様のますみさん。40年ほど前に、ますみさんのお父様が「人の集まる場所をつくりたい」という想いから店を始めました。

現在主に調理を担当するのは、一貴さん。長年、名古屋の和食店や中華、フレンチ、カフェなど幅広い飲食店で働いたのち20年ほど前に白川村に戻り、以降、店の厨房に立ち続けています。

店内は、古民家ならではの風情がありながらも、気負いなく過ごせる雰囲気。カウンター席やテーブル席、奥には団体で利用できる座敷もあります。

真ん中で目を引くのは、立派な煙突のストーブ!もちろん実際に使えるもので、冬場はここで暖をとることができます。

メニューには、飛騨の豚味噌カツ定食や、飛騨牛焼肉カレーといった飛騨地方ならではのものや、リーズナブルにいただけるそばやうどんが並びます。手羽先やたこ焼きといった一品料理もあって、晩酌にもぴったりです。

どれも気になりますが、この日は名物の「元祖トロロのステーキ定食」をいただくことに。

元祖トロロのステーキ定食 1,400円

しばらく待つと、熱々の鉄板がのった定食が運ばれてきました!

トロロステーキとは、旬の山菜や野菜を卵とトロロでとじた料理。ますみさんのアイデアから生まれた、次平さんのオリジナルメニューです。

少しずつ固まる卵を箸で崩しながら頬張ると、しっかり出汁が効いた具材の旨味が口いっぱいに広がります。ふわふわとろとろのトロロと卵、シャクシャクとした食感の山菜や野菜が口の中で一体となって、箸が止まりません!

「この味が大好きで、通いやすい場所に家を決めた」という熱狂的なファンがいるのも納得の味です。

次平ラーメン 730円

そして、もう一品外せないのが「次平ラーメン」。

ベーシックな醤油ラーメンですが、飛騨一本太ネギを使ったスープがじんわり身体に染み渡ります。とろとろの自家製チャーシューに、大きめのメンマ、シャキシャキの飛騨一本太ネギとトッピングもシンプルですが、ラーメンの魅力を引き立てていて、あっという間に完食してしまいました!

ちなみに飛騨一本ネギは店舗の近くにある畑で育てた自家製のものです。

「村民の中には、“ここのラーメンで育った“と話してくれる人もいるんですよ」と一貴さん。

訪れる人を虜にする、次平さんが手がける料理。これからも、村民をはじめたくさんの方に愛されつづけていくことでしょう。

お食事処 次平

住所/ 白川村平瀬188

営業時間/11:30-14:00、16:30-19:00

定休日/木曜日

TEL /05769-5-2152

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【白川村ランチ】ます園 文助 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/bunsuke/ Sun, 01 Oct 2023 12:25:52 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=3883 白川村荻町、白川郷随一の絶景スポットである白川郷展望台へ向かう道中にある「ます園 文助」さん。

観光客で賑わう合掌造り集落から少し離れたひっそりした場所にある、木々に囲まれた合掌造りの建物が特徴です。

趣ある建物を取り囲む庭園には、湧水を利用した大小14の生簀があり、揚げたばかりのイワナやニジマスを使った川魚料理がいただけます。

食事と共に外せないのが合掌造りを借景にした窓からの眺め。

元々はコンクリート製だった生簀を自然石で作り変え、見応えのある造形となっています。特に窓際の席からは風流な景色を臨むことができます。

***

お店の創業は50年ほど前。先代の野田重夫(しげお)さんが、元々田んぼだった土地の一部を川魚の養殖池に作り変えたことから始まりました。

当初は村内の民宿に育てた川魚を卸していましたが、平成7年に白川郷合掌造り集落が世界文化遺産に登録され、観光客が増加したことをきっかけに川魚を自ら提供する食事処をオープン。

現在は、高校卒業後に家業に入った2代目の野田真司さんが店を営みます。

父親の背中を見ながら養殖や料理を学び、先代の重夫さんをはじめ、家族で支え合いながら店を切り盛りしています。

メニューにはイワナやアマゴ、ニジマスといった川魚を使った定食や単品料理が揃います。

せっかくならいろいろ味わいたいとこの日に選んだのは、「清流定食」。通常はニジマスを使っている塩焼きをプラス220円でイワナにしていただきました。

清流定食(2,640円)
*塩焼きがニジマスの場合は2,420円

注文してしばらく待つと、目にも鮮やかな定食が登場しました!華やかなビジュアルに、思わずうっとりしてしまいます。

まずいただいたのは、注文を受けてから水揚げしているというイワナの塩焼き。頭も骨も丸ごと食べられます。シンプルな料理ですが、脂がほどよくのったふっくらとした身に、塩の風味が引き立ちます。

こちらは橙色が美しい、ニジマスの刺身。川魚を生でいただけるのは珍しいですが、プリッとした食感と爽やかな甘さがたまりません!ニジマスの刺身は、水揚げしてすぐだと弾力のある食感ですが、少し日をおくことでトロリとしたまろやかさが楽しめるそうです。

こちらも一匹がまるまる乗った、甘辛の甘露煮。日によって使われる魚は異なりますが、この日はアマゴを調理していただきました。箸がすっと入るほど柔らかく、口に入れると身がほろっとほどけていきます。しっかりとした味付けながら、濃すぎない絶妙な味わいです。

どの料理も、川魚特有の生臭さは一切なく、上品な旨みが感じられます。さらに、ご飯は自家製のコシヒカリ、副菜の山菜も自ら山で採ってきたものを使っていて、地の恵みを存分に味わうことができます。

ちなみに、珍しい「イワナの骨酒」も酒好きに好評。イワナが丸々一匹入った鉢に熱燗を注いだもので、香ばしい風味が楽しめます。かつては白川村の酒の席ではよく嗜まれたそうです。

「川魚が苦手だったけれど美味しくいただけました、という声を聞くと嬉しいですね。遠方から何度も訪れてくれる方もいらっしゃいます」と真司さん。

新緑や紅葉、雪景色など、季節ごとに移ろう絶景とともに、絶品の川魚料理をじっくりと堪能したい食事処。ぜひ、時期を変えて何度も訪れてみてくださいね。

ます園 文助

住所/ 岐阜県大野郡白川村荻町1915

営業時間/11:00 – 21:00(15時以降は予約のみ)

定休日/不定休

TEL /05769-6-1268

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【郷暮らし手帳】子どもたちの身体とこころを育む給食 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/kyusyoku/ Tue, 30 May 2023 09:51:13 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=3308 学校生活の楽しみの一つといえば給食。白川村唯一の学校「白川郷学園」に通う子どもたちにとっても、給食は待ち遠しい時間です。

午前中の授業が終わると、お腹をすかせた子どもたちが廊下に飛び出します。給食当番の子どもたちは白衣に身を包んで配膳を進め、準備ができたら「いただきます!」。

その地方ならではの食材や料理が振る舞われることも多い学校給食。白川村の給食も、さまざまな工夫や、特色ある取組みが実践されているということで、取材に伺いました。

***

お話を聞いたのは、栄養教諭の川原昌士先生。2021年4月に白川郷学園に赴任されました。

「白川村の給食は、すべて白川郷学園の横にある給食センターで作られています。学園だけでなく、保育園の給食も作っていますよ」。

給食センター

白川郷学園と保育園に通う子どもたち、先生などの職員を合わせ、給食センターで作られる給食は毎日約200食。複数の学校をまとめて作ることも多い他の自治体と比べると、量は少なめです。その分、メニューを柔軟に組み立てることができたり、手作業も多いため“家庭料理”っぽさが出るそう。

「給食の特徴としては、村の素材をふんだんに取り入れているところですね。地域の方々にいろいろな食材を提供してもらっています」。

結旨豚に、サンフラワーさんや大田ファームさんのお米や野菜、白川合掌豆腐宮部豆腐店さんや深山豆富店さんの豆腐やすったて…さらにマイタケやキクラゲなども村で採れたものを活用。自分たちの地域で育てられたものを、地域でいただく“地産地消”が日常的に実践されています。

さらに、白川郷学園ではただ「食べる」だけでなく給食を「作る」「考える」取組みにも力を入れています。

その一つが、岐阜県教育委員会が主催する「中学生学校給食選手権」への参加。

過去に受賞した献立は食品サンプルとなって展示

白川郷学園では毎年8年生(中学2年生)が参加し、上位の成績を収めています。この選手権では、自分たちで献立を考え、決勝戦では生徒だけで調理した給食を試食してもらいます。

2022年度は飛騨産コシヒカリのタケノコご飯や、鉄分が豊富な鹿肉の唐揚げ、特別支援学級の児童生徒が作ったじゃがいもとパプリカの中華和え、白川郷土産で人気の「紫蘇もなか」の皮を使った中華スープといった、地域の食材を活用し、見た目や栄養バランスにもこだわった献立で大会に挑戦。白川村らしい地域や人とのつながり“結”も表現されたメニューは、見事、県農業協同組合中央会会長賞を受賞しました。

2022年度の中学生学校給食選手権の献立(県農業協同組合中央会会長賞受賞)

もう一つの取組みは、「結クラス希望献立」。コロナ禍で黙食となった給食の時間をなんとか楽しくしたい、という生徒や先生の想いから始まったものです。

「結クラス」とは、白川郷学園の1〜9年生の縦割りグループのこと。休み時間や掃除、給食などの時間の多くは、結クラスで過ごします。

「結クラス希望献立」は、その年のテーマに沿った給食について結クラスで話し合い、献立を作りあげるというもの。2022年度は“ヘルシー”をテーマとした9つの献立ができました!

「完成した献立は、給食センターで調理され、給食としてみんなでいただきます。子どもたちは自分たちで作ったメニューを食べるのをとても楽しみにしていて、“今日はあの班の献立だよね”と話しています。コンテスト形式で行っているので、それぞれの給食を互いに評価して、グランプリも決めているんです」。

「結クラス希望献立」を通じて、子どもたちがより給食や食事を楽しむようになったと、保護者からも好評なのだそう。

***

白川村の給食を一任されている栄養教諭は、他の自治体より規模は小さいながら、一人でやらなければならないことも多いそう。それでも、大変さよりも「やれることがたくさんあることが楽しい」と川原先生は語ります。

「給食を、ただの食事の時間で終わらせてほしくないんです。その献立や素材の裏にあるストーリーや背景を知ることで、給食がより楽しく、学びの多い時間になればいいなと思っています」。

今後は、古代米やもち麦、まこもだけ、サンフラワーさんのいちじくなど、まだ活用できていない村の食材を給食に取り入れたい、と意気込みます。

「子どもたちの日々の暮らしや遊びの中にあるものと、食を結びつけていけるといいですね」。

子どもたちの身体とこころに健やかにする給食。

白川村では、食べるだけでなく、考え、作ることによって、村の自然や、産業、文化など、さまざまな面に目を向けるきっかけや、コミュニケーションを育む場にもなっています。

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発酵食品を使った試作会が行われました! https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/hakko-01/ Tue, 18 Apr 2023 21:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=3022 雪がまだ残る2月のある昼下がり、旧白川小学校の調理室で、白川村や周辺地域の発酵食品を用いた試作会が開催されました!

この会は、日本の発酵文化の素晴らしさをフランスに伝えるために活動しているユニット「kuramotours(クラモトゥール)」さんから白川村へのお声がけで実現したもの。

クラモトゥールのメンバーであるオレガン愛美さんはオリジナル発酵調味料の販売や伝統調味料の海外プロモーション、Fabien Fleury(ファビアン フルーリー)さんはワインの講師や日本酒の広報、Fanny Fernandes(ファニー フェルナンデス)さんは東京でフランスの家庭料理を提供するお惣菜屋さんと、それぞれ料理や発酵に関わる仕事に携わっています。

今回は、発酵食品を持ち寄り料理をしながら試食をしようということで、発酵食品に関心があったり、料理好きの白川村民もメンバーに加わりました。

参加した白川村民は、古代米を使った甘酒や、自家製の漬物や味噌、トチモチなど、発酵食品をはじめとした手作りの食品や料理を持参。

そしてクラモトゥールのメンバーも、道の駅やスーパーなどでこの地方で作られた豆腐や野菜などを用意していました。

さらに、ファニーさんのオリジナルミックスハーブや、愛美さんのオリジナル発酵調味料などもあり、調理台はさまざまな材料や調味料でいっぱいです!

それぞれ持参した料理や食材を紹介しながら、早速調理がスタート!

最初に手に取ったのは、ほうれん草。

オリーブオイルでかさが減るまで炒めて一度取り出し、同じフライパンで豆腐を味噌といっしょに炒め合わせます。火が通ったら再度ほうれん草をフライパンに戻し、あっという間に完成です!

こちらはじゃがいもと里芋。同じくオリーブオイルで炒めてから、愛美さんの会社で作られているハーブの効いた発酵麹大豆フレークをまぶします。ハーブが香ると、一気に料理が洋風に。いい香りが調理室を包み、お腹が空いてきます…!

最後にもう一品。千切りしたカブを、オリーブオイル、ビネガー、醤油で作ったドレッシングで和え、細かく切り刻んだ干し柿、ナッツ、南瓜のタネをふりかければ、見た目にもとっても鮮やかな一皿ができあがりました!

みなさん料理が得意な方ばかりあって、包丁さばきやフライパンの使い方がとってもスムーズ!

時おり試食を挟みながら、調理はどんどん進んでいきます。白川村のお漬物や味噌、豆腐の話から、フランスの家庭料理、発酵食品の豆知識など、さまざまな食の話題が飛び交い、それぞれの食文化の違いに驚きながらも話が弾みます。

そして、あれよという間にすべての料理が完成しました!

村民のみなさんが持参した料理とともに、できたてを試食。

「ハーブを使うと、なじみの野菜も一気におしゃれな味になるね」

「味噌はいろんな使い方ができるし、個性的な食材も受け止めてくれるね」

どれも初めていただく料理ばかりですが、どこか懐かしいような、それでいて新しいような、新鮮だけどほっとする味わいです。

「たとえば、キクラゲはフランスでは中国料理の食材と思われていて、日本で採れたものだとは知らない方がほとんどです。でも“昔から村で自生しているキクラゲを採っていたんだよ”という話を知ると、すごく魅力的に感じます。ぜひそういったストーリーを外国の方にも伝えてほしいです」

外国からの観光客も多い白川村で、今後活かせそうなお話も聞くことができました。

たくさん食べて、話しているうちに、試作会の時間は終了。お腹が満たされるとともに発酵食品や多様な食文化についての理解も深まりました。

今後、白川村ではクラモトゥールのみなさんと交流を続けながら、白川村では発酵食品の生かし方について考えていきます。

どんなかたちになっていくのか、どうぞお楽しみに!

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【白川村ランチ】手打ち蕎麦 妙幸 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/myoko-soba/ Mon, 20 Feb 2023 21:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2949 白川村南部の平瀬地区にある「手打ち蕎麦 妙幸(みょうこう)」さん。自家製のお蕎麦がいただけるお店です。

味のある藍色の「手打ち蕎麦 妙幸」の大きな看板が目を引きます!

看板の脇道を通って店内へ入ると、そこはまるでおばあちゃんの家に来たかのようなほっと落ち着く空間が広がっています。靴を脱いで畳に上がるスタイルで、座敷には席が3組とコンパクト。

店を営むのは、2016年に埼玉県から白川村に移住し、店をオープンした菅原幸一さんです。

実は10歳まで白川村の鳩谷地区に暮らしていた菅原さん。村を離れてからも旧友に会いに白川村にたびたび訪れていたと言います。大学卒業後は会社員として働いていましたが、定年間近になったある時「自分の店を持ちたい」という想いが募り、故郷である白川村で飲食店を開くことを決めました。

白川村への移住を決意してからは、1年ほど村に通い、地域の方と交流しながら移住の準備を進めてました。現在の店舗も、そんな中で見つけた物件です。

店内の壁には、写真と共にメニューが貼られています。

ベーシックなせいろ蕎麦やかけ蕎麦から、玉子とじ蕎麦、鴨南蛮蕎麦…。白川村らしい、すったてせいろ蕎麦もあります!

さらに、蕎麦以外にも蕎麦つゆで作るという親子丼や蕎麦焼き味噌、野菜の天ぷらといった料理も。

素材はできるだけ地元のものを使っていて、白川村で採れたネギや大根、キクラゲ、山菜、「深山豆富店」さんのすったて、丼ものには地元農家「大田ファーム」さんのお米を使用しています。

今回は、そんな白川村産の具材がいろいろ入った「精進煮かけ蕎麦」をいただくことに。

精進煮かけ蕎麦 1,220円

椎茸や舞茸といったキノコに、なす、ごぼう、長ネギ、ミョウガが入っていて、とっても具だくさん!

土佐のカツオから取った出汁が効いたつゆは、滋味深い味わいで、ゆずの爽やかさな風味が広がります。なすやキノコにはつゆがよく染み込んでいて、ごぼうやミョウガは食感が楽しい!

蕎麦は、どんな人にも食べやすい二八蕎麦。もともと菅原さんはそれほど蕎麦が好きではなかったのですが、奥さんのご実家で家庭的な自家製蕎麦をいただいたことをきっかけに、蕎麦好きになったそう。お店を開くにあたって、1年間教室で修行したそうです。

お店は菅原さんお一人で営まれているため、朝は5時に起床してつゆを作り、麺を打ちます。営業中はアルバイトの方に手伝ってもらうこともありますが、注文や料理、接客を一人でこなすこともあるそう。閉店後も皿洗いやふきんの漂白といった片付けをして…とやることがたくさん。忙しなく仕事をしていると、あっという間に夜更けの時間になってしまうと言います。

それでもお蕎麦を喜んでくれるお客さんの姿や、楽しそうな声が厨房にいても聞こえてくることが、何よりもモチベーションになると菅原さん。

「私が話好きなのもあって、時間がある時はお客さんといろいろお話しするのも楽しいですね。『お客さまノート』を置いているのですが、メッセージを残してもらえるのも嬉しいです」

今年で、開業して7年。毎日が慌ただしく過ぎていきますが、これからは少しずつペースを落としつつ、今度は自分が蕎麦作りを教える側になっていきたいと話します。

「幼少期白川村にいたので一応村に戻ってきたことにはなるのですが、長い時間がかかったのでほとんど移住みたいなものかなと思っています。私みたいなほぼ移住者でも、店を開いて、こうした暮らし方ができることを知ってもらうために、蕎麦作りを教えられたらいいですね」。

観光客はもちろん地元の常連さんも愛されている「妙幸」さん。しみじみと味わいたいお蕎麦はもちろん、菅原さんのやわらかなお人柄もお店の大きな魅力です。ぜひ、足を運んでみてくださいね。

手打ち蕎麦 妙幸

住所/ 岐阜県大野郡白川村平瀬126-65

営業時間/11:30~15:00

定休日/火曜日

TEL /05769-5-2378

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【白川村ランチ】名代とんかつ 富美や https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/tomiya/ Wed, 11 Jan 2023 21:00:00 +0000 https://www.vill.shirakawa.lg.jp/hidanichi/?p=2478 白川郷ICを降りてすぐの156号線沿いにある「名代(なだい)とんかつ 富美(とみ)や」さん。白川村では珍しい、とんかつや洋食がいただけるお店です。

創業は1961年。現在お店を営む澤みほ子さんのお父様が、白川村役場近くに食堂「富美や」として、店を構えたのが始まりです。当時からとんかつが美味しいと評判だったそう。

「当時は、地元や飛騨で働く人が、家庭料理とは少し違う料理を求めて通う方が多かったですね」とみほ子さん。

今の場所へと移転したのは2004年のこと。創業者であるお父様や、長年店を支えてきたお母様から引き継ぎ、現在はみほ子さんがスタッフとと共に切り盛りしています。

店内は、広々とした清潔感あるモダンな和風の雰囲気。元々は畳の座敷に座るスタイルでしたが、コロナ禍を機にテーブルや椅子、衝立を導入し、これがかえって、一人でもゆっくりと食事ができる空間を生み出しています。

メニューには、名物のとんかつを始め、ビーフステーキ(要予約3日前)やオムライスといった洋食、それに観光客向けの飛騨牛や朴葉味噌の定食も並びます。

幅広いラインナップにどれをいただこうか迷ってしまいますが、ここはやはり名物というとんかつをいただくことに。今回は、せっかくなので白川村のブランド豚「結旨豚(ゆいうまぶた)」のとんかつにしました!

結旨豚かつセット 1,650円

「結旨豚かつセット」は、淡い色味と優しい甘さが特徴の特製ドミグラスソースをはじめ、赤みそたれ、大根おろしの3種のタレでいただくことができます。

揚げたてサクサクで脂身がおいしい結旨豚のとんかつを、味変しながら楽しめるのがうれしい!

ちなみに、特製ドミグラスソースをたっぷりかけた「ドミドバ」の注文も可能。昔からの常連さんには、この「ドミドバ」を好む方も多いそう。

「とんかつ自体はもともとメニューにありましたが、結旨豚のとんかつは、郷フェスで結旨豚を使ったことをきっかけに、お店のメニューに取り入れるようになったんですよ」とみほ子さん。

結旨豚以外にもお米は白川村産、自家製ヨーグルトは飛騨牛乳とできるだけ地元のものを使っています。

「地元の方や、高山の方が長年通ってくれる人がいるのが嬉しいですね。お店は2人のスタッフさんが手伝ってくれていますが、本当に皆さんのおかげでやってこれています」。

みほ子さんがやわらかな笑顔で迎えてくれる「名代とんかつ 富美や」さん。おいしいとんかつや洋食をいただきに、ぜひ足を運んでみてくださいね。

名代とんかつ 富美や

住所/ 岐阜県大野郡白川村鳩谷388−1

営業時間/11:00~13:55(L.O)

定休日/金曜日

TEL /05769-6-1105

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