白川郷レスポンシブルツーリズム

白川郷レスポンシブル・ツーリズム 暮らしを思いやる旅のスタイル

地球上に唯一無二の美しい村を守り継ぐ

なぜ、こんな山奥に自然と人、暮らしが調和した美しい村が残されたのでしょう。 白川郷は、今も人びとが住みながら守る世界遺産の村です。 世界に唯一無二のこの美しさが生まれた理由は、 日本の原風景である合掌造り家屋の価値に村民が気づき、 後世に残すために大切に守り継いできたことにあります。 この風景にふれた感動を、未来へとつなげてください。
村民と共に美しい村を守り継ぐことが、 あなたに一生忘れられない観光体験をもたらすことでしょう。
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白川郷える
レスポンシブル・ツーリズムとは

今、世界各国ではレスポンシブル・ツーリズムの取り組みが加速しています。 レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)とは、観光地の環境・文化・社会への負荷を軽減する今注目の観光スタイルです。 白川郷に住む私たちは、自然・暮らし・観光の調和を大切にしてきました。
その調和の輪にレスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)にも加わっていただき、より大きな調和を生み出していきたいと私たちは考えています。
あなたもレスポンシブル・ツーリズムを実践する旅行者、レスポンシブル・トラベラーになりませんか?
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白川郷するすべての 白川郷レスポンシブル・トラベラー
のための5つの実践

旅先では、現地の暮らしも考えてみよう

みなさんが訪れる合掌造り集落には、今なお500人近い村民が暮らしています。今でも人びとの暮らしが営まれていることが世界遺産としての価値となり、地球上に唯一無二の美しさが多くの人を魅了してきました。先祖から大切に受け継いだ集落と家屋を守るために村民がたゆまぬ努力を重ねてきた結果なのです。 白川郷の生活と観光を両立する暮らしには、責任と助け合いが欠かせません。この村に一歩足を踏み入れたら、あなたも村民のひとりです。旅先では“レスポンシブル・トラベラー”として責任と助け合いを意識してみてください。マナーを守ることは、この地で営まれる村の暮らしを尊重すること。それはあなたの旅をより豊かで、尊いものにするでしょう。合掌造り集落はテーマパークではありません。村での暮らしを尊重したマナーを意識して観光を楽しんでください。 ここでは、白川郷を旅するみなさんにぜひ実践していただきたい代表的なマナーを5つご紹介します。
  • 1.指定駐車場をご利用ください 合掌造り集落内には駐車場がありません 集落の伝統的な景観への影響を最小限にするため、合掌造り集落内には観光用の駐車場がありません。観光車両の侵入をご遠慮頂いています。 徒歩で巡ると、集落を流れる水のせせらぎの音色や合掌造り家屋の迫力などこの村の魅力が五感に迫ってきます。白川郷観光はゆっくりとした時間の流れを感じながら、村民の目線でお楽しみください。 お車で来られる際は、合掌造り集落から庄川をはさんだ対岸の指定駐車場に停めていただき、徒歩による観光をお願いします。眺めも美しい吊り橋「であい橋」を渡るとすぐ世界遺産集落です。 せせらぎ公園駐車場 8時00分〜17時00分(最終入庫16時30分) 年中無休 普通車1,000円 *駐車料金の30%が合掌造り集落の保存に充てられます。
  • 2.火の取り扱いは厳禁です 火災で集落を失わないために この風景を未来につなげるために、タバコのポイ捨てや花火は絶対にしないでください。合掌造り家屋の茅葺き屋根は非常に火に弱く、一度火がついたら世界遺産集落全体に広がり、大切に守ってきた家屋が消失してしまう恐れがあります。 村民は日頃から火災予防活動に取り組んでいます。当番制で火の用心の巡回を365日欠かさず行なうほか、60基の放水設備(放水銃)を各家で管理し、山の水源設備も絶えず点検しながら、力を合わせて村を守っています。 もし、喫煙をされる場合(紙巻きタバコ・電子タバコ)は、集落に入る前のせせらぎ公園駐車場の喫煙所で。村落内では、所定の喫煙所(3カ所)のみでお願いします。
  • 3.ゴミは思い出とお持ち帰りください 集落にはゴミ箱がありません 白川郷は人口約1,500人の小さな村です。この村を訪れる観光客は年間約215万人で、住民の1,400倍にのぼります。人口をはるかに超える観光客からもたらされるゴミの分別・回収・処分を行なう人手と施設が村にはありません。 道路や田んぼ、家屋に捨てられたゴミは景観や環境を害するだけでなく、観光客が外から持ち込むゴミは村民の大きな負担となっています。 景観と処分の問題から、合掌造り集落内にはゴミ箱を設置していません。集落内で発生したゴミは集落のお店などで受け取ってもらえます。どうか村へゴミを持ち込まず、みなさんが各自で持ち帰ってください。
  • 4.夜の観光を受け入れていません 宿泊者が過ごす特別な時間 住民の生活とプライバシーを守るため、夜の観光客の受け入れは行なっていません。世界遺産となっている合掌造り集落内では村民が暮らしています。ここでは、夜は家族でゆっくり過ごし、朝は農作業をしたり、学校や仕事へ出かける日常が営まれています。指定駐車場が8時から17時の営業時間となっているのは、昼は観光地、夜は生活の場としての二面性をもつ地域だからです。 ただし、村落内施設の宿泊者だけは、満天の星空や早朝の白川郷を楽しむことができます。昼間とは異なる、静かで落ち着いた村の特別な時間をゆっくりお楽しみください。
  • 5.ドローンは禁止となります 展望台からの眺望を楽しもう みなさんが住む家の上空をドローンが飛んでいる状況を想像してみてください。 合掌造り集落では村民が暮らしています。住民のプライバシーと世界遺産としての合掌造り家屋を守るために、集落内ではドローンの使用を禁止しています。 現在、多くの世界遺産が域内でのドローン使用を禁止しています。ドローンにトラブルが発生して、世界遺産に修復不可能な損傷を与える危険性があるからです。 合掌造り集落を見下ろす絶景は、ぜひとも展望台からお楽しみください。展望台行きのシャトルバス(片道200円)が運行していますし、歩いていくこともできます。
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私たちが“つなぐ”もの

結の精神

白川村民が助け合って暮らしていく精神と、その仕組みを「結(ゆい)」と呼びます。 「結」を代表するものとして、合掌造りの「屋根葺き作業」が挙げられます。これは、合掌造りを所有する者同志で屋根の葺き替えを手伝い合う、対等な労働交換です。「結」による屋根葺きは、白川郷の社会的持続可能性を象徴する風景といえます。 現存する史料で1792年の「結」の屋根葺きの記録があり、現代においても時代に対応した形で変化を遂げながらも続けられています。 はるか昔から「結」の屋根葺きには老若男女の多様な村人が関わって続けられてきました。合掌造りの大きな茅葺屋根の上で100人を超える人々が力を合わせる光景は、現代の人々に衝撃と感動を与えるでしょう。 屋根葺き以外にも、地域の用水路掃除や毎日の火の用心の巡視、地域の山の道草刈り、どぶろく祭などの祭礼の実施など、「結」の精神に根付いた地域共同作業は、白川郷の暮らしに今もなお根強く息づいています。

保存3原則

軸部を修理して今もなお生活が営まれる合掌家屋
白川郷荻町集落の自然環境を守る会(通称:守る会) 日本の高度経済成長期(1955年頃~1973年頃)、白川郷にもダム建設や生活様式の変化など近代化の波が押し寄せました。それに伴い、村内の合掌家屋は減少の一途をたどり、伝統的な家屋や風景が失われる危機感から、村民の間で保存の機運が高まっていきました。 こうした背景のもと、1971年、「売らない・貸さない・こわさない」の保存3原則を柱に、地域住民が「白川郷荻町集落の自然環境を守る住民憲章」を制定し、荻町住民全員が会員となる「守る会(白川郷荻町集落の自然環境を守る会)」が設立されました。 以来、今日に至るまで「守る会」は、合掌造り家屋の保存・技術の継承、景観の指導・審議など、集落内における景観保存活動において主体的役割を担っています。 50年以上続けられてきた保存3原則を柱とした保存運動により、地域住民の力で合掌集落全体が保存維持されてきたことは、日本の観光地で類を見ない独創的な取り組みといえるでしょう。
漫画で読む白川郷マナーガイド
レスポンシブル・トラベラー(責任ある旅行者)の皆さんに知っていただきたい、白川郷の村民の暮らしを漫画にしました。白川郷観光を楽しむヒントとしてお役立てください。
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